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エリアリンク Research Memo(3):ストレージ運用がコア事業


■事業概要

1. 事業セグメント
エリアリンク<8914>の事業は、1)ストレージ運用とストレージ流動化の2つのサブセグメントから構成される「ストレージ事業」、2)底地・不動産売買や底地賃料収入などの「土地権利整備事業」、3)レンタルオフィスやアセットマネジメントなどの「その他運用サービス事業」の3つの事業セグメントからなる。なお、基幹事業であるストレージ事業をより前面に出すために、2020年12月期から報告セグメントを変更している。

2020年12月期のセグメント別内訳を見ると、売上高ではストレージ事業が65.7%(ストレージ運用62.4%、ストレージ流動化3.3%)、土地権利整備事業が27.0%、その他運用サービス事業が7.3%となる。一方、営業利益(管理部門の経費控除前)では、ストレージ運用が67.5%を占め、利益面でも同社の中核事業であることを示している。また、土地権利整備事業は25.3%、その他運用サービス事業は11.5%となる。

2. ストレージ事業
同社はストレージ事業を中核に据えることで成長を遂げており、収益面でもストレージ事業が圧倒的に大きい。ストレージや駐車場、レンタルオフィスなど様々なサービス業態を「ハロー」ブランドで展開している。なお、ストレージ事業は「ストレージ運用」「ストレージ流動化」の2つのサブセグメントに分けて情報開示している。

ストレージ運用は、レンタル収納スペースの運営・募集・管理を行う事業であり、収入タイプは安定的なストック型収入である。一方、ストレージ流動化は、投資商品としてストレージを受注・販売する事業であり、収入タイプは一時的なフロー型収入と言える。

ストレージ事業の主力ブランドである「ハローストレージ」は、家庭用及び企業用のトランクルームとして誕生した。室内を大小のスペースで区画し、顧客の利用用途に適したサービスを提供できるよう、様々なサイズ・商品タイプを用意し、リーズナブルな価格で提供している。また、安心して24時間利用できる。なお、既述のとおり物件数は業界No.1を誇る。具体的には、屋外型トランクルーム、屋内型トランクルーム、トランクハウス24シリーズ、バイク専用トランクルームなどの商品タイプがある。

屋外型トランクルームは同社の主力商品であり、北海道から九州まで全国で約72,000室を展開し、海上運送用の丈夫なコンテナを利用した大型収納スペースだ。コンテナ前まで車の乗り入れができ、24時間利用可能、大容量収納が可能な大型サイズも豊富などの特色がある。

また、屋内型トランクルームは、首都圏中心に約24,000室と最大級で、セキュリティ完備により安心安全・24時間利用可能、人気の中規模サイズが豊富などの特色がある。屋内型トランクタイプは、コンテナの代わりに既存のビル(全部または一部のフロア)や倉庫などをトランクルームに改装してストレージ事業を展開するケースで、基本的な仕組みは屋外型コンテナタイプと同様だ。

一方、新ブランドのトランクハウス24シリーズは、トランクルーム専用に設計された建物型の屋内収納スペースである。広すぎず無駄をなくしたスマート設計のコンパクトタイプを充実させ、環境になじんだシックな外観である。無料駐車場を完備しており、一軒まるごとトランクルーム専用建築、24時間利用可能、清潔感のある外装・内装で女性にもお勧め、警備会社セキュリティを完備、部屋数が多くサイズ展開が豊富などの特色があることに加え、空調設備、エレベーターなども完備した次世代トランクルームである。

また、バイク専用トランクルームには、安全性、機能性、利便性を兼ね備えた駐車場(ボックスタイプ)、セキュリティ面にも配慮した青空タイプの駐車場(パーキングタイプ)、屋内スペースを共同で利用する駐車場(ガレージタイプ)を提供している。これは、空き地を有効利用するための商品と言えよう。

これら「ハローストレージ」の室数は年々順調に増加しており、2020年12月期末には97,885室に達している。また、2019年以降は出店数を抑制して立地条件を厳選した効果もあり、稼働率は80.66%にまで上昇している。加えて、コロナ禍に伴いリモートワークが増え、自宅のスペース確保の必要性が増えたことからも、収納ニーズが拡大しているようだ。なお、ストレージ事業の顧客特性は、契約名義ベースで個人契約が8割、法人契約が2割、平均単価は月1万4千円、平均利用期間は3年半である。

3. 土地権利整備事業
土地権利整備事業は、権利の複雑な底地の売買をとおして、地主・借地権者の問題を解決する事業である。底地・不動産売買や底地からの賃料収入などがあり、収入タイプとしてはフロー収入がメインである。

土地権利整備事業の事業モデルは次のようだ。土地を借りてその上に自分の建物を建てることは一般的に行われている。この場合、建物の所有者は土地を利用する権利(借地権)を有しているが、土地利用の対価として地代を支払う義務もある。一方、土地の所有者である地主は、借地権の制限があるため、その土地を自由に利用することができない。このように、借地権が付いた土地を底地と言う。土地所有者は土地の利用が制限されるものの、地代収入を得る権利を有することから、この土地を貸している権利を「底地権」と称する。

土地と建物の所有者が異なる状況は、権利関係のねじれが生じて複雑化するだけでなく、土地の価格にも影響を与えることから、通常は借地権の分だけディスカウントされる。そこで同社は、地主から底地(権)を取得し、それを建物所有者に販売して収益をあげるとともに、権利関係を整備する事業を行っている。

4. その他運用サービス事業
その他運用サービス事業は、レンタルオフィス、アセットマネジメント、貸会議室など、賃料収入を基盤とする事業であり、収入タイプはストック型収入である。レンタルオフィスは、「ハローオフィス」ブランドで東京23区に少人数用オフィスとして展開しており、コロナ禍によるリモートワークの増加に伴って需要が拡大している。アセットマネジメントは、保有不動産の賃貸管理を行う事業であるが、市況が不安定なことに加え地価の下落リスク等も考慮して現状維持の方針である。貸会議室は、「ハロー貸会議室」ブランドで時間貸し会議室スペースを大都市圏に展開してきたが、事業集中の観点から2020年12月をもって事業撤退した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)


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