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BS11 Research Memo(3):コロナ禍により番組制作の一部中止に伴う再放送やアーカイブへの差し替えが発生


■日本BS放送<9414>の事業環境

電通グループ<4324>が毎年公表している「日本の広告費」によれば、2019年における日本の総広告費は6兆9,381億円で、2012年から8年連続で前年実績を上回っている。そのうち衛星メディア関連(BS、CS、CATV)の広告費は1,267億円となるが、同社が属するBS放送は衛星メディア関連市場の70%強を占める。BS放送市場は2000年12月にBSデジタル放送がスタートしたことで本格的に立ち上がり、黎明期の2001〜2003年を除くと順調に右肩上がりで成長が続いてきた。編成の多様化により様々なジャンルの番組が増加したため、多くの企業による出稿が増加し成長を後押ししていると分析される。

しかし、足元ではテレビメディアにかける広告費は減少傾向にあるが、これはインターネット広告の台頭によるものである。2019年には、地上波テレビと衛星メディア関連を合わせたテレビメディアの売上構成比が26.8%、インターネットが30.3%と、インターネット広告の売上構成比がテレビメディアの売上構成比を上回っている。一方、イベントなどのプロモーションメディア広告は「屋外広告」「交通広告」「展示・映像ほか」が純増していたが、コロナ禍に伴う広告枠の販売不振のほか、感染拡大防止を目的とした番組制作の一部中止に伴う再放送やアーカイブへの差し替え、出展を予定していた国内イベントが中止される等の影響を受けている。

もっとも、多くの世帯でBSデジタルチューナーが搭載された薄型テレビへの買い替えが進んだことにより、BS放送の視聴可能世帯数の割合は70%を超えて伸長している。テレビ通販会社のネット移行の影響もあるが、テレビ広告費全体に対する衛星メディアのシェアはわずか5%程度と言われている。同社自身も自社制作及び外部調達による新規コンテンツを投入するなどして従来とは異なる視聴者層を開拓し、同社への出稿再開を積極的に働きかけていく方針であり、今後シェアを伸ばすことは可能と弊社では考えている。また、コロナ禍において視聴者の意識も変わってきていると弊社では見ている。インターネットの情報については内容などの正確性の面で不安視されており、正確な情報を確かめる点においては伝える速さよりも内容の正確さが重要視されるため、メディア意識が高まっているだろう。その点ではテレビの情報番組による情報収集志向は依然として高く、同社のように視聴者目線で番組制作を行える強みが生かされることが考えられる。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)


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