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GセブンHD Research Memo(1):2021年3月期は過去最高業績を連続更新へ


G-7ホールディングス<7508>は、「オートバックス」「業務スーパー」のフランチャイジーとして国内最多店舗数を運営する子会社を有する持株会社である。1人当たり生産性、在庫回転率などを重視した店舗収益力に強みを持つ。精肉事業の「お肉のてらばやし」や農産物直売所「めぐみの郷」を「業務スーパー」と併設する格好で出店を加速しているほか、2021年3月期よりミニスーパー「miniピアゴ」を運営する(株)99イチバと食肉卸のアンデス食品(株)を吸収合併しグループ化するなどM&Aにも積極的に取り組み、事業規模を拡大している。

1. 2021年3月期第2四半期累計業績の概要
2021年3月期第2四半期累計(2020年4月-9月)の連結業績は、売上高で前年同期比24.3%増の79,848百万円、経常利益で同13.0%増の3,594百万円となり、第2四半期累計として過去最高業績を大きく更新した。オートバックス・車関連事業は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による来店客数の落ち込みやタイヤ販売の前年同期の消費増税前の駆け込み需要の反動減が影響して減収減益となったものの、業務スーパー事業や精肉事業の収益が大きく伸長したことが要因だ。外出自粛による内食需要の拡大を追い風に、既存店売上高が前年同期比2ケタ増となったほか、積極的な新規出店を進めた結果、「業務スーパー」に関しては前期末比10店舗増の155店舗、「お肉のてらばやし」は同14店舗増の127店舗と店舗数が拡大したことも増収増益要因となった。また、その他事業についても農産物直売所「めぐみの郷」や2020年4月にグループ化したミニスーパー「miniピアゴ」の売上が好調に推移し、収益増に貢献した。グループ店舗数は「miniピアゴ」の73店舗が加わったこともあり、前期末比125店舗増の566店舗に拡大した。

2. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期の業績は売上高で前期比28.2%増の170,000百万円、経常利益で同16.7%増の7,000百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの通期計画に対する進捗率は売上高で47.0%、経常利益で51.3%となっている。経常利益に関しては例年、冬用タイヤの販売が伸びる第3四半期がピークとなり下期偏重型であること、前年同期は暖冬の影響でタイヤ販売が低調だったことから、例年並みの気候状況であれば会社計画の達成は十分可能であると弊社では見ている。なお、期末店舗数は592店舗の計画となっており、「業務スーパー」「お肉のてらばやし」「めぐみの郷」などを中心に出店していくほか、女性専用健康体操教室「カーブス」を複数店舗取得する予定となっている。一方で、収益環境が厳しい飲食事業やスイーツ事業については2021年3月期末までに現在の14店舗のうち、「いきなり!ステーキ」2店舗等を除いて撤退する方針を決定している(業績への影響は軽微)。なお、99イチバとアンデス食品のグループ化に伴う連結業績への影響額は、売上高で約200億円の上乗せ要因となる見通しだ(利益の影響は経常利益で1〜2億円)。

3. 成長戦略
同社は中長期の成長戦略として、投資効率の高い新規事業・新業態の開発とM&A戦略によって事業規模を拡大・多角化するとともに、従業員1人当たり売上高や粗利益の向上、不採算店舗の一掃に取り組むことで収益力を強化し、市場変動に左右されない安定的な収益成長と、すべてのグループ会社の黒字定着を目指している。また、グループ各社の連携を強めることで効率的な成長を実現していく考えだ。既に、「業務スーパー」店舗敷地内に「お肉のてらばやし」や「めぐみの郷」を新規出店させることで、これら店舗の早期収益化を実現するなど、成功事例も出始めている。オートバックス・車関連事業では新業態のアウトドア用品専門店「FIELD SEVEN(フィールドセブン)」を2020年3月にオートバックス明石店内に新規出店しており、「オートバックス」店舗に新たな客層を取り込むなどシナジーが生まれつつある。また、持続的な成長を実現していくうえでは「人材」が最も重要であるとの考えで、今後も経営の最重要課題として人材採用・育成に取り組んでいく方針だ。

4.株主還元策
業績が順調に拡大していることを受け、2021年3月期の1株当たり配当金は前期比実質5.0円増配の50.0円(配当性向30.3%)と6期連続の増配を予定している。配当性向の水準としては30%程度を目安としており、今後も収益成長が続けば増配が期待される。

■Key Points
・2021年3月期第2四半期累計業績は大幅増収増益を達成
・「業務スーパー」「お肉のてらばやし」は内食需要の拡大と新規出店効果で大幅増収増益に
・グループ内連携強化による成長性と安定性を高めていくと同時に、人材育成とM&A推進により持続的成長を目指していく

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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