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ドーン Research Memo(7):次代の成長を担うクラウド型映像通報システム「Live119」が神戸市等で開始


■中長期の成長戦略

2020年7月、次世代主力システムと期待される映像通報クラウドシステム「Live119」の本運用が神戸市消防局・小野市消防本部で開始された。「Live119」は、ドーン<2303>が開発した消防機関向け映像通報システムであり、119番の通報者がスマートフォンによるビデオ通話を行い、通報現場の状況を撮影し消防に伝送するシステムである。消防管制室は、通報者が撮影する映像から通報現場の詳しい状況(事故・火災や傷病の様子)を確認し、音声による通報だけでは把握が難しい視覚的な情報をリアルタイムに収集でき、通報者への効果的な口頭指導を支援する。専用アプリを事前にダウンロードする必要がなく、一般市民にとって心理的な余裕がない緊急通報の際にも簡単な操作で利用できるよう配慮されている。

同社は2019年9月より、神戸市消防局との実証実験を開始し、実際の 119 番通報での試行運用を行いながら、そこで得られたノウハウや課題をもとに、「Live119」の機能や性能、運用方法等の改良を進めてきた。実際の受信事例では、現場に居合わせた人が心臓マッサージをする際、消防職員が「もう少し上を押して」などと指示したこともあり、消防職員から「部隊の到着前に映像で事故や火災の全貌を知ることができ、より適切な消防活動が可能になる」との良好な評価を得た。これまで、主力サービスである「NET119」をはじめ、消防救急をはじめとする防災分野の情報共有を支援するさまざまなシステムを提供してきており、その技術やノウハウを結集して、緊急通報におけるリアルタイムな映像伝送の仕組みを実現した。

神戸市・小野市以外にも全国の多数の消防で導入が検討されている。日本最大の規模を誇る東京消防庁もその一つである。来夏の東京オリンピック・パラリンピック前の運用を目指し、2020年9月から「Live119」を試験導入する方針を固めた(読売新聞2020年7月28日)。海外から多くの人が訪れるなか、日本語で説明することが難しい外国人が119番した場合でも、映像で現場の状況が把握できるメリットが期待されている。

近年の成長を支えてきた「NET119」は全国の消防組織に広がり、管轄人口ベースで約50%に普及した。一方、今後は都市部以外を含めた展開となるため、自然と拡大ペースは鈍ることが予想される。同社では、「NET119」の勢いが鈍る2022年5月期前後から「Live119」のほか、警察向けの「Live110」の拡大を加速させ、全社として切れ目なく成長する中長期のシナリオを描いている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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