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品川リフラ Research Memo(4):長い伝統と技術に強み、超高温技術のリーディングカンパニー


■事業概要

4. 特徴と強み
品川リフラクトリーズ<5351>の特徴と強みは、長い年月をかけて培った伝統と技術をベースに、設計、製造、築炉、開発が顧客ニーズに適した提案をすることにある。主な特徴と強みとして、超高温技術のリーディングカンパニー、技術力を基礎とした強固な顧客基盤、積極的なグローバル展開の3点が挙げられる。

5. グローバル展開
海外拠点は、中国に耐火物等の製造・販売と連続鋳造用モールドパウダーの製造・販売を手掛ける合弁会社を設立している。大洋州はオーストラリアとニュージーランドに拠点を持ち、2014年に設立したインドネシアの子会社を支援させている。米国では、オハイオ州にモールドパウダーの製造・販売を行う子会社を設立している。海外売上高比率は、2019年3月期に16.4%まで上がった。2020年3月期は、米中貿易摩擦の長期化と激化が世界需要を鈍化させ、アジアでは新型コロナウイルス感染症の影響が日本より早く出たため、海外売上高は前期比10.4%減少し、同比率は14.7%へ低下した。

日本の粗鋼生産は、年1億トン強で推移してきた。ただし、海外、特に中国の生産が増加したため、2019年の日本の世界シェアは2000年の12.5%から半減し5.6%となった。その間に中国は15.1%から53.3%へシェアを高め、世界の5割強を占めるに至った。世界鉄鋼協会(WSA)のデータによると、2019年の粗鋼生産量で世界のトップ50社のうち、中国メーカー27社が入った。日本は、日本製鉄が前年と同位の3位、JFEスチールが12位と前年の8位から順位を落とした。神戸製鋼所は圏外に終わった。インドは、タタ・スチールが9位(前年11位)、JSWスチールが17位(同18位)、インド鉄鋼公社が18位(同20位)の3社が入った。

同社は、アジアでは市場規模が大きい中国はもとより、成長著しいインド市場の開拓に注力する。2019年の粗鋼生産量は、日本の104百万トンに対しインドは111百万トンとなった。粗鋼生産量で見たインドの市場規模は、2008年に日本の半分以下であったが、2018年に逆転された。

粗鋼生産の伸びとともにインドにおける製鉄用耐火物の需要が着実に伸びると予想しており、同国に耐火物の製造・販売を行う合弁会社を設立し、2020年10月に稼動予定となっている。合弁先は、仏サンゴバン傘下のインド耐火物・研磨剤メーカーであるGrindwell Norton Ltd.(以下、GNO)になる。同社の技術力とGNOが持つ現地事業インフラを最大限活用する。出資比率は、同社が51%、GNOが49%である。

インドネシアでは、鉄鋼業ではなくセメント市場をターゲットにする。セメント用キルン向けでも同社は、豊富な実績と技術を持つ。2014年10月に、インドネシアにPT Shinagawa Refractories Indonesia(SRI)を設立した。同社グループのオーストラリア子会社が技術移転などで、SRIの早期立ち上げを支援した。現在、インドネシアには高炉が1基しかなく、同子会社がターゲットとしている分野はセメント用キルンを含む一般工業炉用の耐火物になる。同国における需要増加に応じて生産体制を整備し、事業拡大を目指す。都市化が進む東南アジアで子会社を拠点とする成長戦略を展開する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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