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コニシ Research Memo(4):土木建設事業では連結子会社が低調


■コニシ<4956>の業績動向

(2) 土木建設事業
土木建設事業の売上高は30,844百万円(前期比3.7%増)、営業利益は2,044百万円(同9.0%減)となった。同社製品の売上高及びエンジニアリング関連の子会社は比較的堅調であったが、角丸建設と近畿鉄筋コンクリートの業績(特に利益)が低迷した。各子会社やサブセグメントの状況は以下のようであった。

a) コニシ 建設用:売上高11,844百万円(前期比3.2%増)
特に大型工事向けの建築補修・外壁はく落防止工法用、建築用シーリング材が好調に推移した。また地域別では、以前から販売強化を行ってきた東日本の売上高が堅調であった。

b) コニシ 土木用:売上高2,295百万円(同13.8%増)
以前から行っている表面保護・はく落防止工法に加えて、連続繊維シート補強工法が堅調に推移し、2桁の増収を確保した。

c) ボンドエンジニアリング:売上高11,074百万円(同8.8%増)
インフラ・ストック市場の補修・改修・補強工事等が引き続き堅調に推移したことから受注は順調に推移し、受注高は過去最高となった。設立から19期目を迎えるが業績は順調に拡大している。

d) コニシ工営:売上高1,414百万円(同8.5%減)
消費税の引き上げの影響により売上高は下期に入り失速、また前期が比較的堅調だった(北海道を地盤とする会社のため、通常は冬季が閑散期となるが、2019年3月期はこの時期に内部改修工事等を獲得できた)こともあり、通期の売上高は前期比8.5%減となった。ただし、同社によると減収の割に営業利益は落ちていないとしている。

e) 近畿鉄筋コンクリート:売上高1,161百万円(同25.0%減)
工事が大幅に遅れたことから売上高も大幅減となった。これは、同社が工事を施工する前段階である橋脚の完工が遅れたことによるものである。

f) 角丸建設:売上高3,777万円(同9.8%増)
工事の進捗が良好で、売上高は好調に推移した。ただし、比較的利益率の低い工事が完工したことなどから、利益面では必ずしも堅調とは言えなかった。


化成品事業では自動車向け・化学工業向けは堅調ながら、その他は低調
(3) 化成品事業
化成品事業の売上高は54,084百万円(前期比0.8%減)、営業利益は553百万円(同10.8%減)となった。主な業界別売上高は以下のようになった。

a) 自動車:売上高19,511百万円(前期比8.5%増)
自動車の電装化に伴い、電子部品関連が好調。新商材も増収に寄与した。

b) 化学工業:売上高7,644百万円(同1.8%増)
エタノール関連商材は増収となったが、樹脂原料は低調に推移した。増収にはなったが、計画値は下回った。

c) 電子・電機:売上高6,398百万円(同4.1%減)
半導体関連(封止材向け等)及びスマートフォン関連が低調であった。

d) 塗料:売上高4,128百万円(同3.2%減)
国内向け建築用は比較的好調であったが、自動車補修用塗料が低調だった。同社が商品を納めているのは2番手グループの塗料メーカーが多いため、これらの需要先自体が業界内においてやや低迷していることも要因となった。

e) 丸安産業:売上高11,495百万円(同12.3%減)
米中貿易摩擦に伴う中国経済の低迷を受けて、半導体製造用やコンデンサー向けが低調であった。利益面でも低調であった。

(4) その他事業
不動産賃貸業が中心。売上高271百万円(同108.4%増)、営業利益219百万円(同917.3%増)となった。本社ビル全体を取得したことから、売上高、利益ともに急増した。

3. 2020年3月期の主なトピックス
(1) 「関東支社」を建設(2019年9月)
a) 「フリーアドレス制」を導入
b) 「FAX受注の電子化」、「シンクライアントパソコン」を導入
c) 隣接する研究所と営業部門の連携を強化

(2) 「東京サテライトオフィス」を開設(2020年1月)
明治生命館(東京都千代田丸の内)内に「サテライトオフィス」を開設。都内での効率的な営業活動に活用する。

(3) 「危険物自動ラック倉庫(栃木)」を建設(2019年9月)
この倉庫は、建屋高さ20mで最大1,650パレットを収納可能であり、QRコードを読み取り、自動でラックに収納する。入出庫作業時間が大幅に短縮される。

(4) 「一般倉庫(滋賀)」を建設(2020年2月)
滋賀物流センター内に連結子会社である角丸建設が建設。倉庫面積は約1,900m²、最大で1,270パレット収納可能。

(5) 角丸建設が和泉(静岡県藤枝市)を子会社化(2020年2月)
(株)和泉は、治山、治水、道路補修工事を主とした土木工事を行っている。2019年6月期の売上高は253百万円、営業利益21百万円。この買収により、角丸建設の土木工事領域の拡大を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)




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