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オープンドア Research Memo(1):「トラベルコ」の機能強化で旅行需要回復後の高成長を目指す


■要約

オープンドア<3926>は、日本最大級の旅行比較サイト「トラベルコ」の運営を中心にインターネットコンテンツの企画運営、ソフトウェア開発を行うWebサービスプロバイダーである。売上高の9割超は「トラベルコ」によるものであり、大半は掲載された旅行プランが予約された時点で掲載会社から獲得する手数料収入(成果報酬型)で占められる。強みは、ほぼすべての旅行ジャンルをカバーしていること、業界最多の旅行サイトを比較しているため最安値プラン・チケットが見つかること、システム開発をほぼすべて社内で開発していること、の3点が挙げられる。「2020年オリコン顧客満足度®調査」における旅行比較サイトランキングでは、「航空券」「ホテル」「ツアー」の全3分野で第1位に選ばれている(航空券、ホテルは2年連続第1位受賞)。

1. 2020年3月期の業績概要
2020年3月期の連結業績は売上高で前期比0.7%減の4,936百万円、営業利益で同9.7%減の1,538百万円と減収減益となった。当期も各旅行サイトや宿泊施設等の公式サイトとのシステム連携を積極的に行うことで、掲載プランの拡充を進めるなどして成約件数の増加に取り組んできたが、第4四半期に入ってからの新型コロナウイルス感染症拡大による旅行需要の急激が影響して、売上高は若干ながら減少に転じた。費用面では、認知度向上を目的としたテレビCM等のプロモーションを期初計画通り実施し、広告宣伝費が前期比107百万円増加したほか、システム開発要員の増員に伴い労務費が同41百万円増加したことが減益要因となった。

2. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期の業績見通しについては、新型コロナウイルス感染症による影響を合理的に算定することが困難なため未定としている。新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を受け、旅行市場をみると2020年4月の主要旅行業者の旅行取扱額は前年同月比95.5%減となった。4月は国内外に向けた感染防止措置がより強化されたことによるもので、「トラベルコ」を通じた予約件数も大きく減少したものと見られる。政府が国内旅行の需要喚起策として打ち出している「Go To Travelキャンペーン」(旅行費用の一部を補助金で支援)が8月から開始される見込みで、一定の需要回復が期待できるものの、海外旅行の回復は遅れるものと予想される。同社の費用構造は、広告宣伝費を除けばほぼ固定費であり、金額としては四半期で4.5億円程度となっている。2021年3月期第1四半期は広告宣伝費を殆どかけていないことから、売上高−固定費がほぼ営業損益になるものと予想される。

3. 成長戦略
同社は新型コロナウイルス感染症収束後に高成長を実現するため、「トラベルコ」の機能向上やUIの改良に取り組んでいる。具体的には、検索機能の強化やユーザーによるクチコミ・評価サービスの構築に加えて、比較サイトの課題であった空室情報の精度向上に向けた開発も進めている。これら施策により、ユーザーの利便性はさらに向上し、比較サイトとしてのシェアも一段と拡大するものと予想される。また、海外版「TRAVELKO」についても、アプリ版の開発を現在進めており、2021年3月期中には完了、リリースする予定としている。なお、当初はリリースと同時にプロモーション展開も進めていく計画であったが、海外における新型コロナウイルス感染状況次第となる。現状はほぼ「トラベルコ」からの収益に依存しており、新たに海外版「TRAVELKO」を育成していくことで収益基盤の強化並びに拡大を推進していくことになる。これら施策の推進により売上高で年率20%以上の成長を続け、将来的には世界トップの旅行比較サイトを目指していく。

■Key Points
・幅広いジャンルをカバーし、最安値プラン・チケットが見つかる旅行比較サイトとしてブランドを確立、システム開発を内製化していることが強み
・2021年3月期業績見通しは新型コロナウイルス感染症の影響を見極めて発表する方針
・「トラベルコ」の機能強化による競争力向上と「TRAVELKO」アプリのリリースによる海外ユーザーの取り込みにより、旅行比較サイトで世界トップを目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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