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CDG Research Memo(4):財務の健全性は高いものの、収益性の向上が今後の課題に


■CDG<2487>の業績動向

4. 財務状況と経営指標
2020年3月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比93百万円増加の6,574百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産は期末にかけて売上が伸長したことで売上債権が170百万円増加し、逆に現金及び預金が81百万円減少した。また、固定資産は保有株式の時価が下がったことにより、投資有価証券が69百万円減少した。

負債合計は前期末比48百万円増加の1,501百万円となった。流動負債では仕入債務が194百万円増加し、未払法人税等が117百万円減少した。また、固定負債では役員退職慰労金が9百万円増加した。純資産に関しては前期末比44百万円増加の5,073百万円となった。その他有価証券評価差額金が44百万円減少し、配当金169百万円を支出したものの、親会社株主に帰属する当期純利益267百万円の計上等でカバーした。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は76.9%と70%以上を安定して上回っており、また、無借金経営を継続しているほか、現金及び預金も30億円超と潤沢にあることから、財務の健全性は高いと判断される。一方、収益性についてみれば、ROAが5.7%、売上高経常利益率が3.8%とそれぞれ前期から上昇に転じたものの、数年前にROAで12%台、経常利益率で7%台の水準を維持していたことからすれば、なお改善余地があると見られる。収益性が低下している要因としては、デジタルプロモーション領域を強化すべく、ここ数年で人的リソースを拡充してきたのに対して、売上高が伸びず、結果的に人件費率が上昇していることが主因と考えられる。

2013年3月期からの推移を見ると、売上原価率は72%前後で安定しているのに対し、販管費率は売上減が響いてここ2年ほどは上昇している。販管費のうち約56%は人件費、約12%は賃借料となっており、これら固定費負担が重荷になっている。直近の営業利益のピークだった2015年3月期の売上高10,948百万円に対して、2020年3月期は9,936百万円に減少したが、従業員数は2015年3月期末の204名から2020年3月期末は230名程度に増加している。デジタルプロモーション領域の売上高は順調に増加しているものの、販促グッズを使ったリアルプロモーションの落ち込みが売上減少につながっている。わかりやすい例を見ると、薬品・医療用品向けの売上高が2015年3月期の1,953百万円から2020年3月期は667百万円まで減少しているが、これはギミック(ノベルティグッズ)※を使った販促ができなくなったことが主因となっている。

※医薬品の販促施策として、ペンやノート等に「医薬品名」を記載して配布してきたが、日本製薬工業協会(製薬協)が2015年7月に自主規制する指針を示したことで利用が年々減少し、2019年1月に製薬協から全面禁止の指針が改めて示された。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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