マーケットＥ Research Memo（5）：グループ内シナジーの大きいメディア事業

■マーケットエンタープライズ<3135>の事業内容

2. メディア事業
メディア事業では、「賢い消費者」への情報提供を目的に消費者の関心の高い3分野で5つのメディアを運営している。具体的には、リユース関連分野で、買取や売却、処分がよく分かるリユースメディア「高く売れるドットコムマガジン」、通信関連ではiPhoneやWi-Fi、WiMAXの情報メディア「iPhone格安SIM通信」と格安SIMカードの比較メディア「SIMチェンジ」、消費関連では新しい趣味と出会うメディア「ビギナーズ」と全国のアウトレットモールの情報メディア「アウトレット・ジャパン」——といったメディアである。メディア自体の収益化はもちろんだが、ネット型リユース事業やモバイル通信事業へ送客するメディアとしての意味合いも大きくなっている。なお、2020年2月に、国内最大級の修理業者情報プラットフォーム「最安修理ドットコム」を新たに譲受し、足元では６つのメディアを運営している。

同社のメディアは、商品・サービスの比較記事をメインにした記事型のメディアであり、収益源は比較記事からの送客に伴う成果報酬である。同社のメディアは自社サービス向け送客（オウンドメディア）に加え、他社サービス向け送客（アフィリエイトメディア）という二つの機能を有する。2020年3月期は、2019年9月に新型iPhoneの発売という特殊要因を受けて月間1,000万PVの大台を初めて突破し、「iPhone格安SIM通信」からモバイル通信事業への急激な送客増加が、モバイル通信事業の高成長の原動力となった。

メディア事業は非常に好採算な事業だが、運営メディアの魅力度の改善に加え、賢い消費者の情報需要の高い分野での新設メディア立ち上げなどを通じて、特殊要因などに影響されない安定した成長を目指す。


WiMAX回線のサービスを展開
3. モバイル通信事業
モバイル通信事業は、同社子会社の(株)MEモバイルが「カシモ（賢いモバイルの意味）」というブランドで、大容量通信を安価に利用できる点が支持されている。日本は世界的に見て通信費の絶対額が高く、家計に占める割合も年々高まっている。このため、国民経済的に大きな問題となっており、その結果、通信料金の値下げを目的に、SIMロック解除義務化や2年契約の違約金の引き下げなど制度改正が相次いだ。こうした動きは、同社モバイル通信事業にとって追い風になっていると言うことができる。なお、同社では、ネット型リユース事業を通じて価格競争力のある中古携帯端末を安定して調達できるところに強みがあるため、リユース端末と格安SIMサービスを組み合わせたサービス提供も行っていたが、格安SIMの普及が想定より遅れていることから、現在MEモバイルでは格安SIMの新規獲得は行っていない。

（執筆：フィスコ客員アナリスト　宮田仁光）




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