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セグエ Research Memo(4):2019年12月期第3四半期は、売上・売上総利益・営業利益ともに過去最高を達成


■セグエグループ<3968>の業績動向

1. 2019年12月期第3四半期の業績概要
2019年12月期第3四半期累計期間における我が国経済は、雇用情勢共に改善傾向が続くものの、企業の業績は足踏み感が出ている。また世界経済は、米中貿易摩擦の激化等により減速感が強まっている。同社グループの属するIT業界においては、AIやIoTなどの新しい技術、それらも利活用した攻めのIT投資となるデジタルトランスフォーメーションや働き方改革などへの注目度は高く、IT全体に対する投資意欲は継続している。セキュリティ対策については、サイバー攻撃の多様化・複雑化が進み、外部脅威対策はもとより、異常を検知するためのアクセス管理や脆弱性管理などの内部脅威対策への投資、そして教育や体制の構築等の人的投資も重要度が高まっている。加えて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えたセキュリティ対策も求められており、セキュリティ人材の不足が深刻化している。

こうした環境下、同社グループは、積極的な営業活動動の推進により、継続的に大型案件が獲得できるようになったことでプロダクトの販売が好調で、2019年12月期第3四半期累計期間におけるソリューションプロダクト事業の売上高は4,194百万円(前年同期比19.1%増)となった。また、保守及びヘルプデスク等のサポートサービスの販売も堅調で、ソリューションサービス事業の売上高は3,185百万円(同1.8%増)となった。以上から、連結売上高は7,379百万円(同11.0%増)の増収となった。

加えてSCVXの販売伸長もあって、売上総利益は1,914百万円(同17.9%増)となり、上場来最高の売上総利益率25.9%を達成した。一方、将来の成長に向けたM&A、人財や社内環境・システム等への積極的な投資を実施した結果、販管費は1,475百万円(同19.5%増)に増加したものの、それを増収で吸収したことで、営業利益は438百万円(同12.9%増)に増加した。また、経常利益も439百万円(同13.5%増)となった。ただ、親会社株主に帰属する四半期純利益は、286百万円(同7.9%減)の減益となったが、これは前年同期にはM&A資金に充当するために株式売却益を計上したためである。

以上のように、同社グループの本業は好調であり、売上・売上総利益・営業利益ともに、第3四半期としては過去最高を達成した。通期計画に対する第3四半期までの進捗率も、売上高77.9%、営業利益77.4%と順調に推移している。また、売上高と営業利益の四半期別推移を見ると、主要販売先の自治体や大企業の年度末に当たる第1四半期の比率が最も高いものの、取引層の拡大に伴って第2四半期・第3四半期の比率が上昇傾向にある。


好調な業績により、強固な財務基盤を維持
2. 財務状況と経営指標
同社グループでは、好調な業績により財務基盤が一層強固になり、安全性だけでなく、利益に関わる経営指標も上昇している。

2019年12月期第3四半期末の総資産は、前期末比891百万円増の6,241百万円となった。これは、流動資産が受取手形、売掛金及び電子記録債権の増加等により同687百万円増に、また、固定資産も無形固定資産、投資その他の資産の増加等によって同203百万円増となったためである。負債合計は、同608百万円増の3,507百万円となった。流動負債が買掛金及び前受金の増加等により同574百万円増に、また、固定負債も退職給付にかかる負債の増加等により同34百万円増となったことによる。また、純資産は、利益剰余金の増加等を主因に、同283百万円増の2,734百万円になった。

以上の結果、2019年12月期第3四半期末の自己資本比率は43.5%と市場第1部の情報・通信業の平均40.2%(2018年度実績)を上回る高水準を維持し、強固な財務基盤を持ち、安全性に懸念はない。また、好調な業績により、収益性の指標であるROEも2018年12月期で15.8%であり、情報・通信業の平均12.7%を上回っている。

なお、同社では、貸借対照表上の前受金の前年度推移を、ソリューションサービスのうちストック性のある将来売上を測る指標として捉えている。これは、販売した機器の保守サービスのうち、自社で行っている保守サービス料を、保守契約期間の最初の段階で一旦前受金として受領し、契約期間が経過するとともに月次で按分して売上を計上するという会計処理を採っているためである。この点、2019年12月期第3四半期末における前受金は、前年同期比で約1.4倍に増加しており、今後の売上拡大を示唆している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)




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