北の達人 Research Memo(5):大ヒットとなった「刺す化粧品」シリーズの2商品をリリース、人員の増強なども
1. 新商品のリリース実績
2020年2月期については、これまで「刺す化粧品」シリーズの2商品をリリース(2019年9月末時点)。具体的には、1)ヒアルロン酸等の美容成分を凝縮した針を直接眉間に刺すことで、凝り固まった肌を柔らかくし、若見えへと導く眉間専用のエイジングケア商品「ミケンディープパッチ」(7月9日リリース)、2)ヒアルロン酸等の美容成分を凝縮した針を額の溝に直接刺すことで、美容成分を角質層まで直接届け、ハリとツヤのある肌へと導く額専用のエイジングケア化粧品「オデコディープパッチ」(9月27日リリース)の2商品となっている。1)については、発売時点での先行予約数が2万個を突破した上、発売初月の売上高が過去最高記録を更新。また、2)についても、発売時点での累計販売枚数が1,200万枚を超えている「刺す化粧品」シリーズの第3弾として高い注目を浴びている。大ヒットを続けている「刺す化粧品」シリーズについては、同社の圧倒的な商品力と徹底したマーケティングによる高い顧客獲得力という強みが生かされている上、商標登録による類似品対策※も行っていることから、市場における圧倒的な地位を確立できる公算が大きい。今後も同社の中核商品としてシリーズ品を続々と展開していく方針のようだ。
※効果的な広告宣伝に必要と考えられるキーワードをあらかじめ商標取得している。
さらには、既存商品のバージョンアップにも取り組んでおり、2019年4月4日には「保湿スキンケア化粧品『みんなの肌潤糖アトケアタイプ』」をバージョンアップしてリニューアル販売を開始した。肌潤糖シリーズについては、同社の主力商品の1つであるが、原価率が高いことから同社基準の適正な利益を確保するためには広告投資を抑えざるを得ず、ここ数年、売上高が減少傾向にあった。今回のバージョンアップにより原価率の大幅な低減を実現しており、今後は適切な広告投資によって再度成長軌道に乗せる考えだ。
2. 機能性表示食品制度の活用
2015年4月から施行された機能性表示食品制度の活用については、直近では2019年5月に「カイテキオリゴ」が5種類の便通改善成分を含む「機能性表示食品」として消費者庁に受理されると、2019年9月2日よりリニューアル販売を開始。「本品には、ラフィノース、ラクチュロース、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、α−シクロデキストリンが含まれているので、便秘傾向者の便通を改善する(排便量・排便回数を増やす)機能があります。」との機能性表示を行っており、複数のオリゴ糖を機能性関与成分とした「機能性表示食品」としては日本初となっている。また、2018年11月に「機能性表示食品」として消費者庁に受理された「北の大地の夢しずく」(睡眠の質を高める植物由来成分「ラフマ」配合のタブレットタイプのサプリメント)についても、2019年6月24日より新たに「機能性表示食品」としてリニューアル販売を開始し、専門家からも信頼できる商品として推薦されている。なお、現時点での「機能性表示食品」は3商品※となっている。
※「北の大地の夢しずく」及び「カイテキオリゴ」のほか、「紅珠漢」(2017年5月受理)。
3. 経営基盤の強化など
2019年2月期に引き続き、人員増強にも注力している。2020年2月期も5割前後(60名前後)の大幅な増員を予定しているが、上期においては40名の新規採用を実現。これに伴って、集客部門を55名(前期末は37名)に増員した。今後も集客部門を中心とした人員増強を通じて集客体制の強化を図る方針であり、これまで十分に手が回っていなかった売上規模の小さい商品群の掘り起こしにも取り組んでいく。なお、2019年2月期から導入している自社開発の「広告最適化のための分析・運用システム」については、引き続き機能面の強化を図りながら順調に稼働しているようだ。経験年数の浅い社員でも早期に利益を生み出せる体制を構築するとともに、本システムでは対応できない部分については経験豊かな人材による「人的な管理の直接運用」を共存させ、広告運用効果・効率の最大化を図っている。また、定型的な業務についてはRPA(Robotic Process Automation)化による効率化も進めており、これら集客体制の強化も業績の底上げに貢献していると考えられる。
オフィスインフラ面については、2019年3月18日に今後の業容拡大に備えるべく、札幌市の中心部に位置する「さっぽろ創世スクエア」※に本社を移転。さらに、4月15日には東京支社(東京都中央区日本橋)を開設した。特に、東京支社では、高いスキルと豊富な経験を有する人材の採用を30名規模で予定しており、人材採用面での効果も期待できる。
※2018年5月に竣工した大型複合ビルであり、札幌市の新しいランドマークとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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