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タナベ経営 Research Memo(4):無借金経営で手元キャッシュも潤沢、財務内容は良好


■業績動向

3. 財務状況と経営指標
タナベ経営<9644>の2019年3月期末の総資産は前期末比34百万円減少の12,769百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では配当金支払いに伴い現預金及び有価証券が155百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が127百万円、前払費用が49百万円それぞれ増加した。固定資産では長期預金及び投資有価証券が56百万円増加し、繰延税金資産が81百万円減少した。なお、長短合わせた現預金及び有価証券は8,592百万円と前期末比で98百万円減少したが、総資産に占める比率は67.3%と引き続き高水準を維持している。

負債合計は前期末比315百万円減少の2,054百万円となった。流動負債で未払金が100百万円、前受金が50百万円それぞれ減少したほか、固定負債で退職給付引当金217百万円が無くなったことが減少要因となっている。また、純資産は前期末比281百万円増加の10,715百万円となった。当期純利益694百万円を計上したのに対して、配当金の支払いで354百万円、自己株式取得で97百万円の減少要因となった。

経営指標を見ると、自己資本比率は83.8%と継続して80%以上を維持しており、有利子負債もないことから、財務内容は極めて良好な状態が続いていると判断される。手元キャッシュが高水準であるが、現時点では人材投資や働き方改革・生産性改革に向けたIT投資などに資金を投下していく方針となっている。また、潤沢な資金を活用したM&A等も戦略オプションの1つとして考えており、同社の成長に寄与する案件があれば、前向きに検討していく方針だ。ROAやROE、営業利益率については前期と比較して大きな変化はないが、各指標ともここ数年少しずつ水準を切り上げており、収益性も着実に向上していることがうかがえる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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