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高千穂交易 Research Memo(5):2019年3月期は計画を下回るも増益。無借金経営が続き財務基盤は安定(1)


■高千穂交易<2676>の業績動向

1. 2019年3月期の業績概要
(1) 損益状況
2019年3月期は、売上高19,894百万円(前期比1.7%増)、営業利益989百万円(同49.1%増)、経常利益1,086百万円(同53.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益491百万円(同275.3%増)となった。計画(売上高22,500百万円、営業利益1,200百万円)よりは下回ったが、前期比で増収・増益となった。

売上総利益率は25.7%となり、前期の24.5%から上昇したが、主に商品構成の変化による。販管費は、のれん償却額が142百万円(前期は192百万円)へ減少したこともあり4,117百万円(前期比0.3%減)となった。この結果、営業利益は前期比49.1%増と大幅な伸びとなったが、計画値(1,200百万円)は下回った。一方で、特別損失として計上した減損損失が184百万円(前期253百万円)と減少したことや、為替差益を54百万円計上したこと等から、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅増益となった。

(2) 財務状況
2019年3月期末の財務状況を見ると、流動資産は16,209百万円(前期末比668百万円増)となった。主要科目では現金・預金134百万円増、受取手形及び売掛金412百万円増、たな卸資産52百万円増であった。固定資産は2,673百万円(同351百万円減)となったが、内訳は有形固定資産が338百万円(同36百万円増)、無形固定資産455百万円(同274百万円減)、投資その他の資産1,879百万円(同113百万円減)となった。無形固定資産の減少は主にのれんの減少308百万円による。この結果、資産合計は18,883百万円(同316百万円増)となった。

流動負債は4,420百万円(同532百万円増)となったが、主な変動は支払手形及び買掛金の増加186百万円などであった。固定負債は695百万円(同24百万円減)となったが、主な変動は長期未払金の減少24百万円などである。純資産は13,766百万円(同191百万円減)となった。期末で1,266,036株の自己株式を所有している。なお、長年無借金経営を続けており、財務基盤は安定していると言えるだろう。

(3) キャッシュ・フローの状況
2019年3月期のキャッシュ・フローは以下のようであった。営業活動によるキャッシュ・フローは939百万円の収入となった。主な収入は税金等調整前当期純利益の計上894百万円、減価償却費99百万円、のれん償却額142百万円、仕入債務の増加185百万円等であった。一方で、主な支出は売上債権の増加288百万円、たな卸資産の増加47百万円等であった。投資活動によるキャッシュ・フローは134百万円の支出となったが、主に有形固定資産の取得による支出70百万円、無形固定資産の取得による支出69百万円など。財務活動によるキャッシュ・フローは678百万円の支出となったが、主に配当金の支払いによる支出224百万円、自己株式の取得による支出464百万円等による。この結果、期中の現金及び現金同等物は134百万円増加し、期末残高は5,203百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)




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