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エヌ・シー・エヌ Research Memo(8):国は建築物の木造化を促進


■今後の見通し

3. 事業環境
エヌ・シー・エヌ<7057>の事業環境については、指標となる新設住宅着工戸数における持家、分譲住宅、貸家のうち、注力するのが持家のエリアとなる。2014年以降、持家は300,000万戸割り込んで推移しており、280,000~290,000戸での推移が継続している。一方で19年3月期における同社の構造計算出荷数は1,671棟であり、依然として成長余地の大きいエリアとなる。SE構法は供給開始以来全22,000棟以上(2019年3月末現在)の実績を持つが、将来の中古住宅流通に向けたデータベースとなるため、520社を超える工務店ネットワークは、中古住宅のメンテナンスを行う優良な施工ネットワークであり、将来的に中古住宅流通(SE構法のフルリノベーション)の分野においてカギとなるだろう。

また、大規模木造建築(非住宅)分野については、農林水産省と国土交通省が発表した2017年度の国の公共建築物において、低層(3階建て以下)物件の木造化比率が63.0%と、初めて6割を超えたことを発表している。木造化が本格化した12年度以降、過去最高となる。国が整備する低層建築物を原則、木造にする基本方針に掲げており、非住宅についても成長が見込まれる分野となる。なお、公共建築物の工事予定金額の推移において、2009年度の5,000億円超から2017年度には8,000億円を超える市場規模となっている。構造材の比率は1割と言われており、800億円の規模に対して4億円ほどの利益であるため、大規模木造建築に関しても成長余地が大きいマーケットである。ネットワークを拡大することで、まずはマーケットシェア3%を目指しており、市場規模が1兆円に拡大した場合、30億円超を目指すことになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)



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