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エバラ食品工業 Research Memo(6):減益計画は先行コストのため


■業績動向

3. 2020年3月期の業績見通し
2020年3月期の業績見通しについて、エバラ食品工業<2819>は売上高52,484百万円(前期比2.3%増)、営業利益2,270百万円(同5.1%減)、経常利益2,360百万円(同5.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,530百万円(同7.2%減)を見込んでいる。新中期経営計画「Unique 2023」における第1フェーズの1年目であることから、激しく変化する事業環境において新価値創造による強い企業成長を目指すため、コア事業による収益強化と戦略事業の基盤確立に向けた取り組みを進める計画である。このため、「黄金の味」やポーション調味料等の価値提案型の施策を通じた拡販を進める一方、「黄金の味」に続く基幹ブランド商品の収益力強化に向けたマーケティングコストも積極的に投下する予定で、結果として減益計画となった。

今回のマーケティングコストは、特に「すき焼のたれ」や「浅漬けの素」といった基幹ブランド商品の収益力強化のため、消費者調査やコミュニケーション施策に先行的に使われるコストである。将来的に基幹ブランド商品以外の収益力の強化も追求する意向だが、基幹ブランド商品への投資は必要かつ喫緊であり、新中期経営計画1年目に予算化したということである。なお、前期に圧縮した拡販費については今期も当然前期と同水準にとどめる方針で、マーケティングコストを先行的に使うことで、その後の拡販費の抑制を定着させたい意向である。ただし、もともと保守的な計画を組む傾向のある同社だが、マーケティングコストを投下するとはいえ、減益計画はかなり保守的な考え方だと思われる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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