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リネットジャパン Research Memo(6):2019年9月期第2四半期業績は大幅な増収増益を実現


■決算動向

2. 2019年9月期第2四半期決算の概要
リネットジャパングループ<3556>の2019年9月期第2四半期の業績は、営業収益が前年同期比101.2%増の4,398百万円、営業利益が241百万円(前年同期は42百万円の損失)、経常利益が236百万円(同77百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が181百万円(同78百万円の損失)と大幅な増収を実現し、先行費用により損失計上した前年同期からの黒字転換を果たした。なお、「カンボジア事業」については、決算未了※1による前期からの期ずれ分(2018年7月から9月までの3ヶ月分)が含まれていることに注意が必要である※2。

※1 RENET JAPAN (CAMBODIA) CO.,LTD.及びMETREY HR Co.,Ltdの2社が設立から稼働に必要なカンボジア国内の登記承認等の許可が遅れたことにより、その結果、決算作業を慎重に進めたことが理由である。
※2 前期からの期ずれ分として、売上高で約600百万円、経常利益で約80百万円が含まれている。一方、逆に第3四半期への期ずれ(チャムロンのみ)も発生しており、売上高で約150百万円、経常利益で約25百万円がシフトされているようだ。ただ、それらを調整した数値で見ても、大幅な増収を達成したことに変わりはない。


営業収益は、「ネットリユース事業」が堅調に推移する一方、本格的に立ち上がってきた「カンボジア事業」(特に、車両販売事業)が大きく拡大。また、「ネットリサイクル事業」も提携自治体数の増加などにより順調に伸びてきた。

利益面でも、増収により大幅な損益改善を図り、「ネットリサイクル事業」への先行費用により損失計上した前年同期からの黒字転換を果たした。

財務面では、「カンボジア事業」における車両販売の伸びによる「売掛金」の増加や、チャムロンによる「営業貸付金」(マイクロファイナンス)の増加などにより、総資産が前期末比23.9%増の5,756百万円に拡大。一方、自己資本についても、新株予約権の行使(約8億円の資金調達)や内部留保の積み増しにより同105.9%増の1,900百万円に大きく拡大したことから、自己資本比率は33.0%(前期末は19.9%)に改善している。

事業別の決算概要は以下のとおりである。

(1) ネットリユース事業
営業収益は前年同期比1.0%減の1,720百万円、セグメント経常利益は同16.0%増の167百万円と堅調に推移した。営業収益は、提携会社のサービスサイト見直しなどの影響で伸び悩んだものの、利益面では支払手数料の削減により増益を確保した。また、販売の先行指標となる買取点数(月間)では、今期に入り前年比110%前後で推移しており、今後の業績の伸びに期待がもてる。

(2) ネットリサイクル事業
営業収益は前年同期比110.7%増の296百万円、セグメント経常利益は39百万円(前年同期は34百万円の損失)と大幅な増収により損益改善を図り、先行費用により損失計上した前年同期からの黒字転換を果たした。2017年4月から開始された「メダルプロジェクト」を機に、国民への制度の周知が進む中で、提携自治体数の増加などが業績の伸びに寄与した。なお、「メダルプロジェクト」は当初予定どおり2019年3月末日に終了したものの、新たに「アフターメダルプロジェクト」(環境省)と題して、スペシャルオリンピックス等※と連携した回収促進の取り組みがスタートしている。

※スペシャルオリンピックスとは、IOCからオリンピックの名称使用を認められた、知的障がいのある方々に様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会(4年に1度、夏季・冬季の世界大会を実施)を提供している国際的な機関である。同社は、スペシャルオリンピックス日本のスポンサー企業となっている。


(3) カンボジア事業
営業収益は前年同期比674.2%増の2,381百万円、セグメント経常利益は同868.7%増の273百万円と大幅な増収増益を実現した。カンボジアでの中古車両・農機具に対する旺盛な需要が追い風となる中で、2017年11月に設立したRENET JAPAN (CAMBODIA) CO.,LTD(100%現地子会社)による車両販売が年間1,000台に達する勢いで伸長し、業績拡大に大きく寄与。セグメント利益の大部分は車両販売によるもののようだ。また、2018年10月1日に連結化したチャムロンによるマイクロファイナンス事業についても、買収効果(資金調達コストの低下)のほか、収益向上の土台となるKPI(貸付人数、延滞比率など)も順調に改善している。一方、人材送出し事業については、まだ本格的な業績貢献の段階ではないが、今後の事業拡大に向けた基盤づくりでは大きな成果(詳細は後述)を残した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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