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ダイナムジャパンHD Research Memo(5):パチンコ市場規模が20兆円を割り込む。射幸性規制が影響した可能性


■ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>の中期成長戦略と取り組み状況
1. パチンコホールの事業環境
(1) 市場規模、店舗数の動き
2017年のパチンコ・パチスロの参加人口は前年比4.3%(40万人)減少の900万人となった。これを反映して、パチンコホールの市場規模(パチンコホールのグロス売上高に相当する“貸玉収入”の総額)も2017年は19兆5,400億円(前年比4.3%減)となり、20兆円を割り込んだ。

こうした市場の縮小は、パチンコホールの店舗数にも影響を与えている。警察庁のデータでは、2017年12月末時点の店舗数は10,596店となり、1年前から390店減少した。ここ数年は減少ペースが年間200~300店と落ち着いていたが、2017年はやや加速した形だ。

(2) 規制の動き
パチンコ・パチスロをめぐっては政府が主導する“ギャンブル等の依存問題対策”の一環で規制強化の動きが続いてきた。具体的な規制のあり方は射幸性を引き下げることに主眼が置かれている。射幸性はパチンコ・パチスロの魅力の1つであるため、ここへの規制強化はパチンコホールの経営にも大きな影響を与える。

2016年のパチンコ機の大当たり確率の引き下げ※に続いて、2018年2月1日からは出玉率及び出玉数についての新たな規則が施行された。大まかな内容は、1)出玉率の上限を現行の約3分の2に規制、2)大当たり1回当たりの出玉数が現行の約3分の2に規制、というものだ。

※ それまで最も射幸性が高い機種は大当たり確率が1/400だったが、それが2016年末までに撤去され、大当たり確率1/320の機種が射幸性が最も高い機種となった。これはパチンコをハイリスク・ハイリターンからミドルリスク・ミドルリターンに変えた規制強化と言える。


これらの規制の影響は非常に大きい。射幸性低下による集客への影響もさることながら、それ以上に影響が大きいのは、遊技機の入替が必要となることだ。機械費は店舗運営費の中で人件費と並んで最も構成比が高い部分であり、これが増加すると店舗収益は大きく圧迫されることになる。

ただし2018年2月の出玉規制については移行期間が設けられている。旧規則対応の遊技機であっても認定を取得すれば最大3年間(2021年1月末まで)使用を継続できる。認定取得に費用(1台当たり約1万円)がかかるものの、新規則によって直ちに設備投資(台の入替え)が発生するわけではなく、緩やかなペースで新規則対応機への移行が進むとみられる。

パチンコに関する射幸性規制の議論は2018年2月の規制で一旦終了し、今後はパチンコホール業界やパチンコ機械メーカーが徐々に対応を進めていくという段階に移っている。

パチスロについてもパチンコ同様、射幸性への規制が強化される流れにある。現在は、高射幸性の機種の設置割合について、現状の30%の基準から段階的に低下させ、2021年1月末までに0%にするという規制に取り組んでいる状況だ。これは業界団体の全日本遊技事業協同組合連合会の自主規制で、2015年6月に新基準に該当しない機種(いわゆる高射幸性機)の設置比率を2017年11月末までに30%以下にするという自主規制を定めた。これを受けて今後段階的に0%にしていくという自主規制が2018年4月に策定された。

※但し、本期間については、新規則に準じた遊技機の販売・供給不足を主因とし、2018年11月、全日本遊技事業協同組合連合会にて対応延期が決議された。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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