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はてな Research Memo(6):2019年7月期は2期ぶりに過去最高業績を更新する見通し


■今後の見通し

1. 2019年7月期の業績見通し
はてな<3930>の2019年7月期の業績は、売上高で前期比20.5%増の2,522百万円、営業利益で同10.9%増の354百万円、経常利益で同5.5%増の353百万円、当期純利益で同3.9%増の243百万円と5期連続の2ケタ増収、2期ぶりの最高益更新を見込んでいる。

売上高ではテクノロジーソリューションサービスが前期比47.1%増の1,155百万円と大幅伸長する見通しで、全体のけん引役となる。「Mackerel」の更なる顧客数の積み上げを見込んでいるほか、受託サービスでも「GigaViewer」の導入件数増、及び既存顧客の深耕、新規顧客の獲得を進めていく。「Mackerel」の累積顧客指数は前期比48.3%増を見込んでいる。2019年7月期は新たに機械学習技術を活用した異常検知通知サービスやコンテナ仮想化技術への対応も予定しており、幅広い顧客ニーズに対応していく。また、2018年8月にはAWS最上位のコンサルティングパートナーであるクラスメソッド(株)と販売代理店契約を締結しており、AWS利用企業への拡販を進めていく。「GigaViewer」についても、2018年8月に(株)ヒーローズのマンガ雑誌「月刊ヒーローズ」の公式サイトに採用されたほか、その他数件の導入が予定されるなど更なる売上増加が見込まれる。

コンテンツマーケティングサービスについては前期比2.3%増の750百万円と微増収を見込んでいる。「はてなブログMedia」の運用件数は前期末比10件増の56件を目標としている。売上高の伸びが低いように見えるが、これは運用件数の拡大を今期は最優先に取り組んでいく方針としているためだ。また、コンテンツプラットフォームサービスについては前期比7.5%増の617百万円と増収に転じる見通し。月間ユニークブラウザ数については高止まりの傾向が続くものの、サイト内の回遊率を高めるなどの施策に取り組むことで広告収入を回復させるほか、「はてなブログPro」等の有料課金サービスの伸長を見込んでいる。

営業費用は人件費やデータセンター利用料等を中心に今期も戦略的投資を実施することで、前期比22.4%増の2,170百万円を見込んでおり、営業利益率の低下要因となる。このうち、人件費については前期比23.6%増の1,067百万円、データセンター利用料は同12.0%増の447百万円を計画しており、その他費用についても同28.0%増の653百万円を見込んでいる。

人件費については、エンジニアを中心に2019年7月期も前期並みの人員採用を見込んでいる。ただ、退職者分については計画に織込んでいないため、前期同様、退職者が出れば費用減要因となる。データセンター利用料については事業拡大に伴う自然増で47百万円、ITインフラ投資で74百万円の増加要因となり、コスト削減施策で73百万円の減少要因を見込んでいる。コスト削減施策としては2003年よりサービス提供してきた「はてなダイアリー」を2019年春に「はてなブログ」に統合することによるコスト削減効果に加えて、各種サービスのミドルウェアをバージョンアップすることによるサーバー台数の減少効果を見込んでいる。なお、その他費用の増加が目立っているが、主なものとしては本社及び東京オフィスの増床に伴う賃借料の増加、並びに広告・販促費用の増加などを見込んでいる。

全体的に費用については保守的な計画となっており、売上高が会社計画を達成すれば利益面では上振れする可能性が高いと弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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