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ダイナック Research Memo(1):来期以降は受託ビジネスの成長加速に期待が高まる


■要約

ダイナックホールディングス<2675>はサントリーグループの中の外食事業関連の中核企業。「食の楽しさをダイナミックにクリエイトする」という企業理念のもと、直営ビジネスとして「響」「燦」「魚盛」などのレストラン、バーを直営するほか、受託ビジネスとしてゴルフ場やリゾート施設などのレストランの運営受託を行っている。

1. 天候要因と閉店数の増加、店舗投資の前倒しに伴う費用増で業績悪化するも一時的
同社の2018年12月期第2四半期決算は、売上高17,330百万円(前年同期比0.3%減)、経常利益48百万円(同66.2%減)と、売上高は横ばいながら大幅減益となった。売上高が天候要因と高水準の閉店で伸び悩む一方、費用面では人件費や光熱費等の増加に加えて、新規出店・業態変更に伴う費用増があったため、営業利益段階では赤字に転落した。しかしながら営業外収益の受取補償金収入により、経常利益は黒字を維持した。今第2四半期のポイントは新規出店と業態変更が計画に対して前倒しで進捗したことだ。一時的な費用増を招いたものの、今下期以降の収益回復の原動力になることが期待される。

2. 収益基盤の強化に向けた取り組みは順調に進捗。受託ビジネスの拡大に注目
中期経営計画で掲げる収益基盤強化への取り組みは着実に進捗している。“事業ポートフォリオの進化による収益力強化”というテーマは家主・委託者側の事情という制約条件があるなかで、安定・持続的な成長基盤づくりに向けて、新規出店、新業態開発、店舗リニューアル等に取り組んでいる。足元は直営ビジネスにおける新規出店が、東京オリンピックで一段とハードルが上がってきており、店舗数拡大を実現しにくい状況となっている。反対に受託ビジネスでは運営実績が次の受託につながるという好循環が続いており、店舗数や業容の拡大が加速する可能性が出てきている。案件の性質上、水面下で進行して突然の発表となることもあるため、今後の展開を注意深く見守りたい。

3. 下期は上期の新規・リニューアル店の増収効果もあり、経常利益は増益を確保へ
2018年12月期通期について同社は、売上高36,400百万円(前期比1.4%増)、営業利益470百万円(同36.3%減)、経常利益830百万円(同10.4%増)と予想している。営業減益と経常増益のねじれは、受取補償金が原因だ。今下期は閉店数が期初予想から拡大するが、上期に出店・リニューアルした店舗の増収効果が期待されるため営業利益への影響は大きく緩和され、受取補償金収入により経常利益段階では前期比10.4%の増益となる見通しだ。今第2四半期の営業赤字は驚きではあったが、それに動じることなく店舗投資を前倒しで実施したことがこの業績予想につながっている。そして、この動きが来期以降も継続する計画であるということが最も重要なポイントだと弊社では考えている。

■Key Points
・今期の業績悪化は一時的。上期の新規店・リニューアル店からの増収効果もあり、今通期では経常増益を確保する見通し
・中期経営計画で掲げる「収益基盤の強化」のための3つの取り組みはいずれも順調に進捗
・当面は受託ビジネスに店舗数拡大の余地が大きいとみる。ゴルフクラブレストランと道の駅の今後に注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)



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