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MRO Research Memo(4):海外統括部門を設立、中国市場で事業スタート


■トピックス

1. 海外統括部門を設立、海外事業では中国で事業スタート
MonotaRO<3064>の成長力の源泉は、主力の事業者向けネット通販事業(monotaro.com)だけではない。もちろん、monotaro.comは連結売上高の8割以上(2018年12月期第2四半期)を構成し、過去3年間で年率20.6%成長をしてきた大黒柱であることに間違いはない。ただし、成長性だけで言えば、大企業連携事業の過去3年の年平均成長率は57.0%、海外事業で29.9%と、近年力を入れてきた主力以外の事業がより伸びている。

大企業連携とは、大企業顧客の購買システムとシステム連携し、購買を促進する取り組み。扱う商品は、monotaro.comの扱い商品のほか、当該企業が独自で選択する商品も同一システムで購入可能である。2018年12月期は前期比47%増の129億円、連結売上高に占める大企業連携売上高の比率は11.8%を見込む。

海外事業に関しては、2018年6月に海外事業部門を設立し、海外事業の責任者が、米・欧のロイヤリティ事業、韓国、インドネシア、中国の連結子会社を統括する体制となった。米・欧のロイヤリティ事業はキャッシュカウ(金のなる木)としての位置付け。韓国のNAVIMROは、2018年12月期第2四半期では営業損失がわずかに出ているものの、通期での営業黒字を目指すまでに成長した。中国のZORO SHANGHAIは当初2018年7月の予定だったが、6月に前倒しで事業スタートした。中国のMRO市場は日本の2倍以上と言われており、将来の成長のための布石がしっかり打たれている。

2.物流関連コストは5.8%(売上比)に低減。最新鋭の笠間DCへの拡大投資約30億円決定
物流関連コストは、売上比で5.8%(2018年上期)まで低減している。2017年4月に笠間DCを本格稼働したことにより、過渡期として一過性のコストが発生し、2017年上期・下期は6%を超える物流関連コストがかかっていた。2018年上期の全国の在庫点数34.8万点のうち、笠間DCの在庫点数は21万点まで増加、現在も月1万点のペースで増加する。笠間DCと尼崎DCの出荷比率もまもなく半々となる予想である。自律搬送型ロボットを活用する最新鋭の笠間DCの比率が増えると、物流関連コスト比率の低下も見込まれる。

同社では、想定を上回る業容の拡大に対応するために、笠間DC能力をさらに拡大するための投資を行う予定だ。具体的には、自動搬送型ロボットを現状の150台から250台に、コンベアや出荷設備も増設。投資額は約30億円、拡大した設備は2019年4月稼働開始予定である。強みである物流をさらに改善するために、手を緩めない姿勢を評価したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



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