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動物高度医療 Research Memo(4):連携病院数、初診件数、総診療件数とも増加基調


■事業概要

4. 連携病院数、初診件数、総診療件数とも増加基調
診療件数は一次診療施設からの紹介件数によるため、日本動物高度医療センター<6039>は特に初診件数(新規に受け入れた症例数)を最も重要な経営指標と位置付けている。そして連携病院数の増加が初診件数や総診療件数(初診数と再診数の合計)の増加、すなわち収益の拡大につながる。

連携病院に関しては、同社の理念に賛同する全国各地の動物病院と「連携病院の覚書」を締結し、同社Webサイトにおける連携病院としての紹介、学術情報等の提供、診療手術への参加、同社施設の利用(有料)等のサービスを提供している。

学会発表やセミナー開催などの学術活動を継続的に推進して連携動物病院の拡大を図り、連携病院数は増加基調である。2010年3月末の2,248病院から2018年3月末の3,362病院まで増加し、さらに2018年6月末時点では3,411病院まで増加している。病院の新規開業(2011年12月名古屋病院、2018年1月東京病院)に伴って受入体制が強化され、連携病院数も病院の新規開業時に大幅増加する傾向がある。

連携病院数の増加基調に連動する形で、初診件数、総診療件数、及び手術件数も増加基調である。なお初診から手術に至る割合はおおむね3分の1程度で推移している。

5. 人材は順調に増加
同社単体ベースの2018年6月末時点の職員数は前年同月末比14名増加して157名となった。このうち獣医師は8名増加して74名(常勤が9名増加して59名、非常勤が1名減少して15名)で、動物看護師は4名増加して46名となった。獣医師を含めて人材は順調に増加している。

高度な医療サービスを提供するには、質の高い獣医師・動物看護師の存在が必須となる。人材の育成・確保に関しては、2008年4月スタートした卒後臨床研修制度を中心に行っている。卒後臨床研修制度は、大学卒業後2年間に体系的なカリキュラムと指導体制のもとで、獣医師としての人格や価値観を育成し、患者動物を体系的に診ることができる基本的な診療能力を習得することを目的とした制度である。また2009年3月には、民間では初めて「小動物臨床研修診療施設」として農林水産大臣から指定を受けており、より専門性及び公共性の高い施設を目指している。

こうした人材育成・確保策の成果として、関東・東京合同地区獣医師大会において、学会長賞・奨励賞を2013年度から5年連続で受賞している。

6. リスク要因
事業環境や収益にかかるリスク要因としては、ペット飼育頭数の減少、競争の激化、診療サービスの過誤、診療動物間での感染症流行、獣医師法や獣医療法といった法令の改正による規制強化、人材の育成・確保などがある。

事業環境に関しては、飼育頭数の減少を背景としてペット産業全体で見れば伸び悩み感や成熟感が否めない状況でも、ペットの家族化・高齢化・疾病の多様化、さらには動物医療技術の発展などを背景に、飼い主の間に「動物にも人間と同じように高度な医療を受けさせたい」として、動物医療に対する多様化・高度化ニーズが高まっているため、動物高度医療分野は成長余地が大きいと考えられる。

また同業他社に関しては、一次診療施設の動物病院は増加傾向である。農林水産省によると、小動物診療施設軒数は2009年末の10,135軒から2017年末の11,839軒まで増加した。ただし、患者動物に最適な検査・診断・治療を迅速に提供できる高度医療専門の総合病院への参入障壁は高いと考えられる。また同社は一次診療施設と直接競合せず、一次診療施設と連携するビジネスモデルである。そして連携病院数は増加基調であり、全国の小動物診療施設軒数に対する連携病院数の割合も2010年3月末の22.2%から2018年6月末の28.8%に上昇している。競争激化のリスクは小さいと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)



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