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エネクス Research Memo(1):次のステージにステップアップするための基盤固めが順調に進捗


■要約

伊藤忠エネクス<8133>は伊藤忠<8001>グループ内でエネルギー分野の中核を担うエネルギー商社。産業向けから最終消費者向けまで、石油製品、LPガスを中心に幅広い事業を展開してきた。規制緩和で電力にも進出し、現在では石油・ガス・電力の3つの柱で収益の安定かつ持続的成長を目指している。

1. 2018年3月期は前期比増収増益で着地。最終利益は3期連続で過去最高を更新
同社の2018年3月期決算は、売上高1,156,344百万円(前期比12.4%増)、当社株主に帰属する当期純利益11,025百万円(同6.0%増)と前期比増収増益となり、予想対比でも上振れで着地した。売上高は原油価格上昇や電力販売量の増加で前期比増収となった。利益面では、生活エネルギー・流通部門でのCS(ガソリンスタンドの社内呼称)改革や、ホームライフ部門でのLPガス販売量増加・事業再編などの増益で、電力・ユーティリティ部門と産業エネルギー・流通部門の減益をカバーし、当期利益段階では増益を確保した。

2. 2ヶ年中期経営計画『Moving 2018』は順調に進捗。収益基盤と組織基盤がともに強化
同社は2018年3月期と2019年3月期の2年間の中期経営計画『Moving 2018』に取り組んでいる。この2年間を、次のステージに進むための布石を打つ期間と位置付け、1)収益基盤の再構築と、2)組織基盤の再整備に取り組むことが骨格となっている。前者については、2018年3月期は大阪ガス<9532>との間でLPガス事業の事業再編を敢行したのを初め、不採算CSの撤退、仙台パワーステーションの稼働、電力バランシンググループの拡大等の実績を上げた。後者については、2018年4月から事業セグメントの一部を改編し、石油、ガス、電気をそれぞれ一本化し、モビリティ(自動車)事業を独立させて意思決定のスピードアップを図った。また人材投資や働き方改革など質的な面での強化も行った。

3. 2019年3月期は業績よりも成長投資の内容と進捗に注目
2019年3月期は前期に引き続き収益基盤と組織基盤の底固めに注力することになる。業績については、営業利益と当社株主に帰属する当期純利益について、中期経営計画の当初計画から上方修正しており、不安要素は少ない。したがって注目ポイントは基盤固めの進捗、とりわけ将来の成長に直結する施策の実施状況にあると弊社では考えている。これによって2020年3月期から始まる次期中期経営計画の業績計画も、一気に当期純利益200億円を狙うのか、あるいはもう一呼吸置くのか、変わってくると予想している。同社は現行中期経営計画『Moving 2018』における投資額を450億円から566億円に増額修正しており、2019年3月期は322億円の投資を計画している。その内容と評価が今期の注目ポイントだ。

■Key Points
・中期経営計画の2大テーマである、1)収益基盤の再構築と2)組織基盤の再整備がいずれも着実に進捗
・『Moving 2018』の2年間の投資計画を566億円に増額修正
・配当の指針となる配当性向水準を40%に引き上げ。2018年3月期は8円増配の40円配を実施

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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