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冨士ダイス Research Memo(4):2019年3月期会社予想は増収減益予想だが、価格転嫁いかんでは利益増額も


■今後の見通し

1. 2019年3月期業績見通し
冨士ダイス<6167>の2019年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比1.7%増の18,300百万円ながら、営業利益は同11.3%減の1,300百万円、経常利益も同2.9%減の1,430百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同2.9%増の960百万円を見込む。全体として増収を見込むものの、営業利益段階ではタングステンを中心とする材料費高騰からコスト増を補えず、営業減益を予想する。ただし、現状は自動車を主体とする輸送用機械向けが引き続き環境対策などで高水準の投資が行われており、半導体産業も設備投資並びに増産が続いているなかで、会社予想を上回る売上げが見込まれる。また利益面でも材料費高騰分についてユーザーとの価格改定の動きもあり、下期にかけて原材料費転嫁効果が出てくれば増収効果もあいまって営業増益に転ずる可能性も十分見込まれる。なお税引利益は前期の減損の一巡から増益を続ける見通しで最高純利益更新が続く見通し。

2. 2019年3月期需要先動向
同社では2019年3月期の需要分野別の動向と同社の取り組みについて決算説明会で開示をしている。具体的な売上予想数字はないものの、輸送用機械、生産・業務用機械、金型・工具向け素材、電機・電子部品向けの増加を予想、鉄鋼、非鉄金属・金属製品向けを横ばいと想定し、全体として増収を目指す計画となっている。

利益面では超硬素材の原材料であるタングステンを中心に価格の高騰が続いており、同社原材料費用が市況上昇分で3~4億円増加すると想定、ユーザーへの価格転嫁を計画に織り込んでいないため、営業利益段階で2ケタ減益を予想している。しかし、全体として売上げについて増額修正の可能性が高く、下期にはユーザーへの価格転嫁も進むとみられ、結果として営業利益段階でも増益を維持する可能性はあると判断する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)



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