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AOITYOHold Research Memo(6):プリントレスの影響や先行投資などから業績は一旦踊り場に


■業績見通し

2018年12月期の業績予想についてAOI TYO Holdings<3975>は、売上高を前期比0.7%減の70,000百万円、営業利益を同17.7%減の3,800百万円、経常利益を同15.8%減の3,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同17.3%減の2,300百万円としている。プリントレスによる影響や成長領域への先行投資などから、業績は一旦踊り場を迎える見通しである。

減収予想となっているのは、プリントレスによる影響(2018年4月頃からの加速を想定)や働き方改革への対応(受注コントロール)による「広告映像制作事業」の売上減小が主な理由である。また、「その他制作事業」もグループ事業整理などにより減収となる想定である。一方、成長領域である「ソリューション事業」やM&Aを推進する「海外事業」は拡大する見通しとなっている。

また、利益面では、利益率の改善幅が前期ほどではないためプリントレスによる影響(約9億円の減益要因)を利益率改善でカバーしきれないほか、成長領域への先行投資(R&D関連の人件費やシステム費用など)等により約8億円の営業減益となる想定である。一方、TYO本社(目黒)の売却に伴う譲渡益として334百万円(概算)が特別利益に計上される。

主要事業の業績予想とその前提は以下のとおりである。

(1) 広告映像制作事業
「広告映像制作事業」は、売上高を前期比8.2%減の45,300百万円と見込んでいる。約40億円の減収のうち、プリントレスによる影響のほか、「ソリューション事業」への移管が含まれることに注意が必要である。それ以外の減収要因としては、前期に引き続き、採算性重視の営業管理や働き方改革への対応(受注コントロール)による影響も想定している。

(2) ソリューション事業
「ソリューション事業」は、売上高を前期比38.8%増の11,200百万円と見込んでいる。そのうち、TYO営業統括本部の売上高を前期比43.4%増の8,000百万円(ただし、「広告映像制作事業」からの移管分を含む)、Quark tokyoの売上高を同11.8%増の2,700百万円と想定している。Quark tokyoの伸びが前期と比べて緩やかなのは、今後の事業拡大に向けた体制構築(データ分析などの人員補充など)を優先することが背景と考えられる。

(3) 海外事業
「海外事業」は、売上高を前期比58.3%増の4,500百万円と見込んでいる。東南アジアにおける事業拡大に加えて、2018年3月に連結子会社化した「Reserve Tank」(マレーシア)が増収に寄与する想定である。また、2017年10月に持分法適用会社化した「VF MEDIA」(ベトナム)についても株式の段階的取得による連結化が実現すれば、業績の上振れ要因となる可能性に注意が必要である。

弊社でも、同社の売上高予想は、マイナス材料を合理的に織り込む一方、プラス材料も無理のない前提となっており、十分に達成可能な水準とみている。ただ、前期同様、プリントレスのタイミングや進展スピードが業績の変動要因となることに注意が必要である。一方、利益予想については、政策的な判断(積極的な先行投資など)が反映されており、予想数値の達成可能性を探るよりも、資金の使い道やその目的(期待効果)に注目すべきだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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