3Dマトリック Research Memo(3):止血材「PuraStat®」を後出血予防材、癒着防止材として応用展開
2. 主要開発パイプラインの概要と市場規模
(1) 吸収性局所止血材(TDM-621)
スリー・ディー・マトリックス<7777>の止血材「PuraStat®」は、血管吻合部並びに臓器からの滲出性出血や、内視鏡手術、腹腔鏡手術下での消化管粘膜切除部の小血管、毛細血管からの滲出性出血の止血用途を目的に開発され、現在はCEマーキング適用国である欧州各国やアジア・オセアニア、中南米地域で現地代理店を通じて販売が行われている。
止血材(主に心臓血管外科及び一般外科などの手術の際に用いられる止血材)の世界における市場規模は、2016年に約3,000百万米ドルに達したと見られている。地域別では、米国が1,344百万米ドル、欧州が1,078百万米ドルとなり世界需要の大半を両地域で占めている。また、欧州以外にCEマーキングの適用により販売可能な国での市場規模は286百万米ドル程度と推計され、これら地域に日本、中国を加えた市場が同社のターゲット市場となる。
現在、止血材としてはヒト+ウシ由来のフィブリン糊が一般的に使用されている。同社の止血材と既存品との大きな違いは、同社製品は化学合成のため感染リスクがないことに加えて、透明色のため術視野が妨げられないこと、術後洗浄が容易であることなど、操作性や機能面で優位な点が多いことが挙げられる。また、1回の手術で使用される同社の止血材の量は内視鏡領域や心臓血管外科領域で3~5ml、臓器出血等の一般外科領域で10ml程度となり、販売価格については地域差があるものの、1万円/ml前後の水準となっている。
(2) 後出血予防材
「PuraStat®」の適用拡大として後出血予防材の開発を欧州で進めている。後出血予防とは、消化器内視鏡術後に治療部位からの術後出血を予防することを指す。術後に再出血した場合は、緊急止血処置を行うために再手術、再入院を余儀なくされることも多く、患者や医師の負担が増すだけでなく、医療費が膨らみ医療財政の負担増にもつながっている。このため、医療現場からのニーズは非常に高くなっている。
EU市場では内視鏡手術が年間約300万件実施されており、このうち術中に出血する件数は約15万件となっている。ただ、同社では後出血の恐れがある、または後出血が予想される件数は、その約8.5倍の約130万件になると推計している。内視鏡手術向けの止血材の市場規模は現在、10億円程度だが、すべての出血に止血材で対応しているわけではなく、電気焼灼術で止血する場合が多い。すべての出血に止血材で対応したと仮定した場合、市場規模は50~100億円になると推定される。後出血予防材として上市されれば、潜在市場はEUだけで少なくとも100億円以上が見込めることになる。現状、競合品もないことから今後の開発動向が注目される。
(3) 癒着防止材
「PuraStat®」の適用拡大として癒着防止材としての開発、販売も進んでいる。癒着防止材は、手術時に組織の癒着を防ぐために使用する医療材料となる。組織が癒着した場合、再手術時に癒着はく離を行う必要があるため、手術時間が長くなるほか出血リスクが増大する、場合によっては再手術ができないなどのデメリットがあるほか、消化器領域では腸閉塞、婦人科領域では不妊の原因となる可能性もある。
現在、癒着防止材としてはフィルムタイプまたはジェルタイプの製品が販売されているが、フィルムタイプについては使用部位に貼付する際に破断したり、狭い部位には貼付できないなど使用範囲が限られるといったデメリットが指摘されている。同社の癒着防止材はゲル状のため、あらゆる部位に使用できることが強みとなる。また、ジェルタイプの製品に対しても止血効果や創傷治癒効果で優れていることが強みとなる。実際、オーストラリアでは狭い部位にもシリンジで目的部位に滴下できる「PuraStat®」の長所が生かされる耳鼻咽喉科領域(鼻甲介切除術、鼻中隔形成術等)で「PuraStat®」の採用が広がっている。
癒着防止材の世界市場規模は、2016年の約800億円から2021年には約1,200億円まで拡大すると予想されているが、約7割は婦人科や消化器外科領域で占められ、耳鼻科領域に関してはまだわずかな規模にとどまっている。ただ、創傷治癒や止血効果も備えた同社の癒着防止材は、患者のQOL向上にもつながるなどメリットが大きく、今後の開発動向が注目される。
(4) 次世代止血材(TDM-623)
次世代止血材の開発が欧州で進められている。「PuraStat®」よりも止血効果が高い(短時間で止血)ことに加えて、ペプチドの配列数が「PuraStat®」よりも少ないため材料費が低く抑えられること、常温で輸送・保管が可能なことなどが長所となる。「PuraStat®」は冷蔵保存の必要があったため、物流・保管コストも余分にかかっていた。ただ、次世代止血材は粘性が高いため使用が不向きな部位・用途などがあり、こうした部位については「PuraStat®」を使用するなど、将来的には棲み分けが進むものと予想される。
(5) 歯槽骨再建材(TDM-711)
歯槽骨再建材は、歯科領域において歯槽骨が退縮し、インプラント手術が適用不可である患者に対して、インプラント手術が適用できるまで歯槽骨を再建することを目的とした医療材料で、目的部位に同材料を注入することにより、歯槽骨の再生を促進する機能を果たす。
米国における市場規模は年間約200百万米ドルと見られており、年間190万件程度の歯槽骨再建手術が行われている。このうち約120万件が異種骨(豚)や他人の骨を足場材として利用する施術が行われており、残りは自身の違う部位からの移植または人工骨などを利用している。同社の歯槽骨再建材を使えば、感染リスクもなく安全かつ容易に歯槽骨の再建を行うことが可能となる。
(6) 創傷治癒材(TDM-511)
創傷治癒材に関しては、2015年2月に米国のFDAより510(k)申請による承認を取得し、販売の許認可を得ている。ただ、価格が高価なことから販売は行っておらず、他の薬剤とのコンビネーション(抗生物質、抗がん剤、ヒアルロン酸等との混合投与)による治療効果の増大に向け、熱傷治療、皮膚がん治療を中心に美容整形分野等での研究を進め、付加価値の高い製品として事業化していくことを基本戦略としている。ただ、直近では止血材や次世代止血材、歯槽骨再建材、癒着防止材等の開発を優先的に進め、2019年4月期より新しい展開に着手する予定だ。
(7) 核酸医薬用DDS(TDM-812)
抗がん剤等の核酸医薬品を目的部位(がん細胞等)まで送り届けるDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)用材料として、界面活性剤ペプチド「A6K」をアカデミアや製薬企業等に提供している。2015年7月より国立がん研究センターにおいてトリプルネガティブ乳がんを対象とした臨床第1相の医師主導治験で「A6k」を用いたsiRNA核酸医薬の安全性試験が行われているほか(現在は、データ解析中)、2017年7月には悪性胸膜中皮腫を対象としたマイクロRNA核酸医薬に関する広島大学との共同研究が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「革新的医療技術創出拠点プロジェクト」に採択されている。さらに、2018年3月には国立がん研究センター中央病院のファースト・イン・ヒューマン第I相医師主導治験が終了した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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