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エネクス Research Memo(3):LPガス事業は販売数量増加とCP上昇によるプラスの在庫影響で増収・営業増益


■伊藤忠エネクス<8133>の業績の動向

2. ホームライフ部門
ホームライフ部門は売上収益40,123百万円(前年同期比14.9%増)、営業活動に係る利益891百万円(同28.8%増)、当社株主に帰属する四半期純損失561百万円(前年同期は58百万円の損失)で着地した。LPガス事業で販売数量・価格が堅調だったこと加えて、電力事業の収益貢献により、営業活動に係る利益は増益となった。

主力のLPガス販売事業においては、大元の価格であるCP(コントラクトプライス、ドル建て輸入価格)が変動しても原料費調整制度で吸収され、一定の利幅が確保される仕組みとなっている。したがって利益変動は主として販売数量で決定される。今第2四半期は販売数量が前年同期比1.9%増加したため、その分増益を確保することができた。

一方で、LPガス事業者は各顧客先のガスを自社の在庫と認識するため(いわゆる軒下在庫)、大量の在庫を保有していることになり、期末のCPの水準によって在庫影響額が損益に影響を与える。今第2四半期は期中にCPが低下したものの期末にかけて上昇したため、在庫影響額はプラスとなり、セグメント営業利益を押し上げた。

ホームライフ部門では、2016年4月の電力小売全面自由化を受けて電力事業をスタートさせている。これは、電力・ユーティリティ部門が扱う電力を、LPガスの顧客家庭向けに販売するもので、ホームライフ部門の主力商材であるLPガスと電気のセット割引販売が同社の販売戦略であり強みとなっている。この顧客数は2017年3月末で32,000軒に達したが、今第2四半期中に約10,000軒を上積みし、2017年9月末には42,000軒に達した。今期中の上積み目標は38,000軒(期末時点で70,000軒)とされており、それに照らすと顧客獲得のペースは計画を下回っている状況だ。しかしながら、今第2四半期の重要な進捗として、電力事業が黒字化を達成したことが挙げられる。これは時期的にも、契約軒数的にも、当初計画よりも早いタイミングでの達成で、電力事業の今後に期待が高まる状況と言える。

ホームライフ部門の今第2四半期のトピックスとして、大阪ガスとのLPガス事業の事業統合がある(2017年8月3日発表)。概要は、同社と大阪ガスが折半出資で(株)エネアークを設立し、関東・中部・関西地区の双方のLPガス販社を傘下に収めるということと、それ以外の地域に関して、大阪ガス側の北海道・四国のLPガス販社3社を同社側に譲渡するというものだ。これら2件の事業再編は計画どおり2017年10月1日付でスタートした。この事業再編に伴う損失が、今第2四半期中に計上された。損益計算書上の持分法投資損失がこれによるもので、この影響により、ホームライフ部門の当社株主に帰属する四半期純利益が561百万円の損失に陥った。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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