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ケンコーマヨ Research Memo(8):売上高経常利益率で5%以上の水準を維持しながら、安定成長を目指していく


■ケンコーマヨネーズ<2915>の中長期の成長戦略

2. 中期経営計画の進捗状況
2018年3月期は中期経営計画『KENKO Five Code 2015-2017』の最終年度となる。経営数値目標としては、連結売上高75,000百万円、 連結経常利益率5%、自己資本比率50%、ROE8%以上を掲げていたが、売上高を除けばほぼ射程圏内に入ったと言える。

業績が順調に拡大している要因としては、大きく3点が挙げられる。第1に、同社が主要市場としている外食・中食市場が、単身世帯の増加や女性の社会進出などによって順調に拡大していること、第2に、外食業界では慢性的な人手不足になっており、調理の「簡便化」に寄与する商品やメニュー、あるいは健康志向の高まりを意識したメニューの開発が求められており、そうした課題に対して分野別・業態別にきめ細やかなメニュー提案や営業活動を継続してきたことが、既存顧客での取引シェア拡大並びに新規顧客の開拓につながっていること、第3に、CVS向けで小型形態のロングライフサラダがPB商品として採用され堅調に推移したこと、並びにタマゴ加工品の採用が相次ぎ、想定以上のペースで売上げが拡大したことなどが挙げられる。

同社では経営戦略として、『サラダNo.1(Leading company)』のポジション確立、「サラダ料理」の更なる進化、グローバル市場への積極展開を進める経営基盤強化を掲げている。『サラダNo.1』としてのポジションを確立するために、既存事業の売上規模を拡大させていくほか、「サラダ料理」の更なる進化に向けて、メディアや自社Webサイトを使った情報発信及びブランディング強化だけでなく、サラダ料理講習会や「Salad Cafe」での展開を今後も進めていく方針だ。自社Webサイトでは、業態別や季節のレシピなど1,200件を超えるおすすめレシピを掲載し、サラダに関心のある人たちが集まる「サラダ情報専門サイト」としてトレンド情報の発信の場としている。サラダ専門店の「Salad Cafe」については、出店の引き合いはあるものの、状況を見ながら出店の可否を判断していくとしている。

また、「グローバル市場への積極展開を進める経営基盤強化」として、各国のニーズに合わせた商品開発を進めているほか、展示会への積極的な出展(米国、香港等で2017年4月~9月に計6回)も行うなど輸出拡大に向けた取り組みを強化している。2017年9月末時点で36の国と地域に輸出し、現地日系企業(CVS、外食企業等)への導入も着実に進み始めている。2018年3月期の輸出売上は約6億円程度となる見通しで、中期経営目標には届かないものの、今後も輸出商品数及び販売エリアを広げていくことで売上規模を拡大していく方針だ。インドネシアの持分法適用関連会社では、ハラール対応のマヨネーズを現地の日本食スーパーで販売開始したほか、周辺国への輸出も開始するなど着実に事業規模を拡大しており、2019年3月期には黒字化することを目標としている。

なお、2019年3月期からスタートする次期中期経営計画については今後策定していく予定だが、新たに稼働する4つの新工場が成長の原動力になっていくのは間違いない。今後も売上高経常利益率で5%の水準を維持していくことを最優先課題として、安定的な収益拡大を目指していくものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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