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日本調剤 Research Memo(13):2019年3月期は薬価調剤報酬改定と新工場稼働で収益は踊り場を迎える可能性


■今後の見通し

2. 2019年3月期の考え方
2019年3月期は薬価及び調剤報酬の改定年に当たるため、調剤薬局事業の業績はその影響を受けることが想定される。また医薬品製造販売事業においても、薬価改定に加えて新工場の稼働が予定されているため、減価償却費の負担増などで、特に利益において厳しくなることが予想される。全社ベースの収益も、一旦踊り場を迎える可能性が高いとみている。

薬価及び調剤報酬の改定の業績への影響については、国が医療費の伸びの抑制を目指しているためマイナス方向に働くことは間違いないとみられるが、どの程度のマイナスとなるのかは、改定の中身が明らかになっていない現時点では誰にとっても想定ができない状況だ。改定の方向性や大まかな内容は、これまでの例にならえば2017年12月頃には見えてくると予想される。その内容公表を待って来期以降の業績へのインパクトを検討したいと考えている。

弊社が強調したいのは、同社の経営施策が、国が進める施策(具体的には、「患者のための薬局ビジョン」の推進など)に沿った方向で行われていることと、同社の施策が、国が求める以上のスピード感で行われていることの2つだ。このことは、中長期的には、成長戦略の項で述べたように、業界再編の本格到来時に同社が勝ち組となることに貢献し、また短期的には、2019年3月期の業績へのマイナス影響を同業他社と比べて相対的に小さくすることに貢献すると、弊社では期待している。

医薬品製造販売事業の新工場稼働に関しては、減価償却費が年間700百万円程度増加することが、業績影響としてまず挙げられる。新工場を活用してどれだけトップライングロースを達成できるかであるが、そもそも設備能力には余裕があったことから、ジェネリック医薬品の市場全体の成長率とそう大きくは変わらない増収率になると弊社ではみている。注目されるのは、減価償却費を除いたベースで、新工場の生産性や生産効率が既存工場と比較してどの程度高いのか、それがどの程度のコストダウンをもたらすか、といった点だ。また、新工場の稼働率がいつ頃フル生産に移行できそうかといった視点でも見ていきたいと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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