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RIZAPーG Research Memo(3):BMP導入で再契約率が82%に急上昇。ストック型収益モデルへの転換進む


■業績動向

2. RIZAP・ボディメイク事業の進捗状況
ボディメイク事業は順調に会員数及び店舗数の増大が続いているが、今第2四半期決算で明らかになった大きな進捗は、ボディマネジメントプログラム(BMP)の早期かつ高レベルの浸透だ。また、海外事業展開でも大きな進捗があった。

(1) ボディマネジメントプログラム(BMP)
RIZAPグループ<2928>はボディメイク事業について、“ゲストに生涯寄り添うストック型ビジネスへ”をスローガンにビジネスモデルの転換に取り組んできた。これは後述する『RIZAP1,000万人健康宣言』と並ぶボディメイク事業の新たな成長戦略の中核を形成するものと言える。

同社はかねてより、ボディメイク事業のKPI(重要経営評価指標)に1年後継続率や再契約率を取り入れて、LTV(ライフタイムバリュー)の増大に取り組んできた。その後2016年から、ストック型への転換を本格的に進めるべく、ライフサポートプログラム(LSP)を導入した。これは月2回/月額19,600 円でトレーナーの指導を受けつつ体形・健康の維持を図ることができるというものだ。

LSPをさらに発展させて2017年7月からスタートしたのがボディマネジメントプログラム(BMP)だ。これは月額29,800円とLSPに比べて料金を50%高くする一方、マシンの使い放題やリバウンド保険、専用アプリによる管理栄養士による食事指導などのサービスを付加したものだ。契約期間は1年で、1年ごとの自動更新だ。

このBMPの申し込み率が7月の導入後11月までの実績で82%と非常に高い実績を残している。申し込み率は約40%だったLSPの2倍以上の高さだ。BMP導入で高い再契約が実現したことにより、ボディメイク事業の収益モデルは劇的に変化すると期待される。

1,000名の新規会員について、2ヶ月間の通常プログラムで終了した場合と、BMP導入の場合の売上高についての試算を比較するとその差は一目瞭然だ。通常プログラムの場合は298,000円×1,000人で298百万円の売上収益となる(入会金は除く)。一方BMPについて、これまでの申し込み率実績82%をもとに、1年ごとの更新時期に一定数が減少していくという仮定で試算すると5年間で1,009百万円という結果が得られている。通常プログラムで終了の場合に比較して3倍以上の売上収益となる。契約継続期間中は物販なども期待できるため、実際の差はさらに広がることが想定される。

同社はBMP以外にも複数の再契約メニューを用意している。BMPを申し込まなかった18%の人のうち約半数がBMP以外の再契約メニューを申し込んでいるため、通常プログラム終了後も何らかの形で契約を継続している会員の割合は90%を超えている状況にある。こうしたことから、ボディメイク事業はストック型ビジネスモデルへの転換を果たしたと評価してよいと弊社では考えている。

(2) 海外展開の状況
ボディメイク事業については早期から海外に出店し、現在、上海、香港、台湾、シンガポールに計5店舗を展開している。2017年3月期第4四半期には海外店舗の営業損失は合計で106百万円に達していたが2018年3月期に入って急速に損益が改善し、2017年9月には香港の店舗が単月黒字化して全店舗黒字化を達成した。その結果、第2四半期(7月−9月期)の4店舗合計営業利益は3百万円の黒字に転換した。今期は通年でも海外事業の黒字化が期待できる。

海外店舗の業績改善と運営ノウハウの蓄積を受けて、同社は来期以降、再び海外展開にアクセルを踏む予定だ。2019年3月期は市場が好調な台湾とシンガポールにそれぞれ1店舗を出店して全6店舗体制とし、2021年3月期末までには30店舗を目指すとしている。

海外展開について弊社では、中長期的に非常に重要な意義があると考えている。理由は、同社が自治体連携で取り組んでいる医療費削減の試みだ。社会の高齢化による社会保障費(医療費、介護費など)の負担増大は、日本だけではなく、先進国共通の課題だ。後述するように、日本では着実に自治体との連携が着実に増加しつつあり、将来的に同社の大きな収益源になっていくことが期待されている。日本での成功を世界展開するという流れは当然に想定できることであり、その時のための拠点づくり・地盤づくりという観点からも、海外展開は非常に重要だというのが弊社の見方だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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