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はてな Research Memo(2):UGCサービスのパイオニアとしてのノウハウ・技術を持つ


■会社概要

1. 会社概要
はてな<3930>はUGCサービスのパイオニア企業である。UGCとは、User-Generated Contentの略で、Webサイトの利用者(ユーザ)によって制作・生成されたコンテンツ。電子掲示板(BBS)やブログ、プロフ(自己紹介サイト)、Wiki、SNS、ソーシャルブックマーク、動画投稿サイト、写真共有サイト、イラスト投稿サイトなどに投稿されたコンテンツの総称である。

同社はユーザーが文章や画像などのコンテンツを発信・閲覧・拡散するためのプラットフォームを提供してきた。質問や悩みを投稿して、アンケートを検索するサービスの「人力検索はてな」、Webページ上にオンラインにブックマークを保存し、共有されたブックマーク先のページを見ることでネット上で盛り上がっている話題を知ることができる「はてなブックマーク」、文章をじっくり書いて発信したいハイエンドブロガーが使う「はてなブログ」など、いずれも10年以上の歴史を誇り、618万人もの利用者がいる。近年では個人向けサービスで培ったノウハウを生かし、法人向けサービスも拡充することで、業績拡大を続けている。

2. 沿革
2001年に京都リサーチパーク(京都市下京区)にて「有限会社はてな」として設立され、「人力検索サイトはてな」(現在の人力検索はてな)の運用を開始した。2003年にはブログサービス「はてなダイアリー」(現在の「はてなブログ」)を開始し、2005年にネット上によく見るWebページや気になるエントリー記事を登録(ブックマーク)し、ユーザー間で情報を共有するソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」サービスを開始した。2014年には企業向けオウンドメディア支援サービス「はてなブログ Media」、アドベリフィケーション※機能「BrandSafeはてな」 、クラウド支援サービス「Mackerel」を開始し、企業向けサービスへの注力を強めた。2012年には任天堂と協業して、「ニンテンドーネットワークID(NNID)」をベースにしたソーシャル・ネットワーキング・サービスで、「共感のコミュニケーションを促進すること」を目的とした「Miiverse」のサービスを開始するなど、他社との協業も行っている(2017年11月終了)。2016年に東証マザーズに上場した。

※アドベリフィケーション:ネット広告が広告主のイメージ低下を招くようなサイトやページに掲載されていないか確認したり、ユーザーのブラウザ画面内に実際に表示されているか確認するなど、広告の配信をコントロールすること。


3. 事業内容
同社のサービスは、個人向けサービスとして、ユーザーが文章や画像などのコンテンツを発信・閲覧・拡散するプラットフォームを提供するコンテンツプラットフォームサービスと、法人向けにオウンドメディア構築・運用及び、コンテンツの拡散を支援するコンテンツマーケティングサービス、UGCの開発や運用の受託、サーバー監視のサービス提供などテクノロジーソリューションサービスの3種類からなっている。

個人向けのコンテンツプラットフォームでの長年の実績を、今後の成長分野であるコンテンツマーケティング、テクノロジーソリューションに生かすことで、法人顧客からより高付加価値の収益を獲得できている。また、法人ビジネスでの経験が、コンテンツプラットフォームサービスの強化などに役立っており、3つのサービスを行っているシナジー効果が出ていると思料される。

2017年7月期のサービス別売上高構成を見ると、コンテンツプラットフォームサービスが578百万円(31%)、コンテンツマーケティングサービスが628百万円(33%)、テクノロジーソリューションサービスが683百万円(36%)となっており、バランスの良い売上構成となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)



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