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マーケットE Research Memo(6):高齢者の離農と新規就農者増加で農機具のリユース市場が急成長中


■中長期の成長戦略

2. 農機具事業
マーケットエンタープライズ<3135>は農機具の取扱いを開始した。農業従事者の中では、高齢者が離農する一方、国策による支援を受けて若年層が新たに就農するという動きが活発化している。そこに農機具の処分したい需要と、新規就農に当たり少しでも安く農機具を購入したい需要とが交錯し、これが同社にとって事業機会となっている。

農機具のリユース市場はまだ立ち上がり期にあり、今後数年間で急速に拡大するとみられている。背景にあるのは現役就農者における高齢化の急速な進展と、それに伴う離農・リタイアの増加だ。この点において異論は少ないだろう。一方で新規就農者に対する国・地方自治体からの手厚い支援策も良く知られたところだ。この動きのなかで農機具は納屋に放置されたままになるケースが多かったが、同社を始めとして複数のリユース事業者が中古農機具の取扱いを本格化させたことで、取引が一気に活性化してきている状況だ。

弊社では同社が進出した農機具ビジネスについては大きなポテンシャルがあると考えている。事業環境は前述のとおりだ。加えて、農機具は単価が同社の取扱商品の平均単価である約28,000円を大きく上回り、数十万円~数百万円と非常に高額な商材だということがある。このことは売上高利益率や在庫回転率においてはマイナスに働く可能性もあるが、収益規模の成長を狙う上ではこうした高額商材の登場はポジティブだと弊社では考えている。

農機具だけの売上高について同社は詳細な開示はしていない。弊社では2年目の2018年6月期においては、高単価であることや需要が非常に大きいことなどに照らして、1億円の大台を超えてくる可能性もあるとみている。またその後の成長ポテンシャルも高いと考えている。

今後、農機具ビジネスを本格的に拡大していく上では、同社は体制整備等いくつかの課題について判断を迫られるとみている。1つは機械の整備体制だ。自社で整備士をそろえるか農機具販売店などと提携するか選択肢はいくつかある。また農業関連においては、JA(農業協同組合)との距離感をどうするかも重要なテーマとなるだろう。こうした課題を1つ1つ解決しながら大事に育成できれば農機具ビジネスは今後の同社の中核商材に成長する可能性があると弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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