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リプロセル Research Memo(4):新株予約権の行使により手元キャッシュは潤沢


■業績動向

3. 財務状況と経営指標
リプロセル<4978>の2017年3月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比114百万円減少の7,854百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では棚卸資産が49百万円増加し、固定資産ではのれんを中心とした無形固定資産が435百万円(うち、のれんは287百万円)減少した一方で、投資有価証券が240百万円増加した。

負債は前期末比214百万円減少の485百万円となった。前受金が174百万円減少したことが主因となっている。また、純資産は前期末比100百万円増加の7,368百万円となった。親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が911百万円減少したほか、円高の影響で為替換算調整勘定が121百万円減少したが、新株予約権の行使に伴い、資本金及び資本剰余金が併せて1,214百万円増加したことによる。

経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は90%以上を維持しており、手元キャッシュも50億円を超える水準を維持していること、今後も2016年11月に発行した第三者割当による新株予約権の行使に伴う資金調達が見込まれること等から、少なくとも今後3年程度は財務面でのリスクはないものと判断される。同新株予約権の行使状況について見ると、4月に107万株の行使があり、364百万円を株式市場から資金調達している。未行使分の株式数は188.2万株となり、残りすべてが現在の株価水準(5月26日終値390円の90%を行使価額と想定)で行使されたと仮定すると、残り660百万円を調達できることになる。

今回の資金調達の目的は、「ステムカイマル」の導入費用(マイルストーン費用、研究開発費用、上市後の売上高に応じたロイヤリティ費用等)で750百万円、残りを新たな細胞医薬品の治験費用に充当する予定となっている。新たな細胞医薬品としては、「ステムカイマル」を他の疾患で開発を進めていくケースのほか、他の企業から体性幹細胞を用いた細胞医薬品のライセンスを取得し、日本で開発を進めていくケースの両方を検討している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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