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カドカワ Research Memo(1):2017年10月のリリース予定の新規Webサービスに注目


■要約

カドカワ<9468>は、大手出版社の(株)KADOKAWAと日本最大級の動画サービス「niconico」を運営する(株)ドワンゴが経営統合し、2014年10月に誕生したメガコンテンツ・パブリシャーであると同時にデジタルコンテンツ・プラットフォーマーでもある総合メディア企業。書籍・電子書籍、雑誌・広告、映像の企画・製作・配信、動画サービス、モバイルコンテンツ配信、ゲームソフトウェアの企画・開発・販売、ネット上の学習サービスや専門学校の運営など幅広い事業を展開する。

1. 2017年3月期は増収減益だが、会社計画は上回る
2017年3月期の連結業績は、売上高が前期比2.4%増の205,717百万円、営業利益が同7.7%減の8,419百万円と増収減益決算となった。電子書籍・雑誌の売上増に加えて、紙書籍事業も映画「君の名は。」関連書籍やメディアミックス作品の販売好調等により出版事業が大幅増益となったものの、Webサービス事業の新規投資が響いた格好となった。ただ、2016年11月に修正発表した会社計画に対しては、出版事業が下期も好調に推移したことから売上高、利益ともに上回って着地した。

2. 2018年3月期は戦略投資費用が増加し増収減益に
2018年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.1%増の212,000百万円、営業利益が同31.1%減の5,800百万円と増収減益となる見通し。2017年10月にスマートフォン向け新サービスを含むniconicoの新バージョンniconico(く)をリリースする計画で、その開発費用や、出版事業における書籍製造・物流拠点稼働に向けた関連投資など戦略投資費用で1,700百万円、「君の名は。」効果の一巡やWebサービス事業のうちモバイルの会員数減少による音楽配信サービスの減少など既存事業で900百万円の減益要因を見込んでいる。

3. 新中期ビジョンを発表
同社は今回新たな中期ビジョンを発表した。ネットとリアルを融合したメディアミックス戦略を展開しながら事業を拡大していく方針だ。当面の注目点は、2017年10月にリリースするniconico(く)となる。同社では世界最先端の機能を搭載し、魅力的なサービスを提供することで、niconicoの収益成長を目指している。また、出版事業においては所沢の書籍製造・物流拠点の稼働に向けたテスト生産や物流の最適化を進めていく方針で、2020年の稼働開始以降の収益力強化につながるものと期待される。新中期ビジョンでは中長期での経営目標数値を発表しなかったが、これは新規Webサービスのインパクトがどの程度か現段階で予測するのが困難であり、不確実性の高い目標値を発表することは好ましくないと判断したためだ。弊社では同社が推進するメディアミックス戦略が着実に収益に結びつき、そのノウハウが蓄積されていること、出版事業においては2020年の書籍製造・物流拠点稼働によって収益力が一段と向上すること、新規Webサービスの投入によって新たな成長ポテンシャルが期待されることなどから、現状は投資が先行する業績も中長期的に見れば着実に成長していくものと予想している。

■Key Points
・2017年10月リリース予定の新規Webサービスに注目
・メディアミックス戦略の更なる強化により、中期的な成長拡大を進める

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



<NB>

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