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藤商事 Research Memo(5):2018年3月期は有力シリーズ機種の投入効果により、業績急回復へ


■今後の見通し

1. 2018年3月期の業績見通し
藤商事<6257>の2018年3月期の業績は、売上高が前期比51.7%増の50,000百万円、営業利益が2,500百万円、経常利益が2,500百万円、当期純利益が同1,700百万円と2期ぶりの増収増益に転じる見通し。今期はパチンコ機・パチスロ機ともに販売実績の高い有力ホラータイトルの投入を予定しているほか、そのほかにも複数の有力シリーズ機種の投入を計画していること、また、新規タイトルとして新たな柱となり得るキラータイトルを予定しており、販売台数が大きく回復すると見ている。

パチンコ機の販売台数は前期比8.7%増の10.5万台を計画している。新機種は5~7機種の投入を予定しており、このうち5機種は確定している。残りについては販売状況を見ながら投入するかどうか決定していく方針だ。既に発売している機種として「CR萌エキサイト」(2017年5月)があるが、メインは7月に投入予定の「CRリング 終焉ノ刻」となる。今年は「CRリング」シリーズの発売開始10周年に当たり、プロモーション活動も従来以上に注力していく予定となっている。新機種では、大当たりまでのサプライズギミック(演出)もかなりインパクトの強いものを用意しているようで、5月中旬にスタートした内覧会での評価も高く手応えは十分のようだ。その他の新機種についてもエアーギミックをさらに進化させたギミックを用意するなど、独創的な機種の投入を予定している。キラータイトルについてはまだ詳細は明らかにされていないが、人気アニメを使った機種となるようで、第4四半期の投入を予定している。

一方、パチスロ機については2~3機種の投入を予定しており、販売台数で前期比21倍増の2.5万台を計画している。こちらもホラータイトルを中心に投入する。既に発売した「パチスロ 呪怨」(2017年5月)については順調で目標に近い販売台数となっているもよう。また、「パチスロ リング 終焉ノ刻」を6月に投入する予定となっている。初代機では2万台を販売した実績があるが、射幸性を抑えた5.5号機での投入となるため、1万台弱程度の販売を見込んでいる。あと1機種を投入するかどうかは今後の販売状況を見ながら決定する方針となっているが、既に開発・検定は終えている。5.5号機のため、投入するとすれば販売期限となる2017年9月末までとなる。

売上高については販売台数の増加に伴い前期比51.7%増と大幅増収を見込んでいる。また、売上総利益率に関しては前期の47.3%から今期は44.2%へ低下すると見ている。これはパチンコ機、パチスロ機ともに機種交換時のコストが低くなる新筐体を採用することで、原材料費が一時的に上昇することが要因となっている。同社ではここ数年、利益体質の強化を目的に、パチンコ機において共通部材やリユース品の採用などを積極的に進めてきたが、今期はこうした取り組みをパチンコ機でも進めていく計画となっている。

パチンコ機の場合、本体枠を共通部材として機種入れ替え時においても利用することで、パネルの交換で済むようになり、ホール側にとっても低いコストで新機種の入れ替えを実現できるためニーズは強い。本体枠については従来、2~3年でモデルチェンジを行っていたが、今回はこれを5年まで伸ばすために新しい本体枠を開発、「CRリング 終焉ノ刻」から新本体枠を採用して販売していく計画となっている。また、今回はサイドユニットについても機種ごとに交換できるようにしている。一方、パチスロ機についても「パチスロ リング 終焉ノ刻」から脱着式の新筐体を採用している。こうした取り組みによって今期は一時的に原材料費が増加し、売上総利益率の低下要因になる。ただ、一度、こうした機種がホールに導入されれば、次機種からはパネル交換のみで済むため、ホール側にとっても導入コストが軽減されるため、他社の機種にリプレースされる可能性は低くなる。同社にとってもリプレース機種については、パネルのみの販売となるため部材費のコストダウンに寄与することになる。こうした取り組みの効果により、2019年3月期以降は売上総利益率も上昇に転じる見通しだ。

販管費については、前期比9.5%増の19,548百万円を見込んでいる。主な増加要因としては、販売手数料で前期比773百万円増、広告宣伝費で449百万円増、研究開発費で195百万円増となる。販売手数料については販売台数が増加することに加え、手数料率の高いパチスロ機が伸びることが大幅増要因となっている。また、広告宣伝費については「CRリング」発売10周年に関連したプロモーション費用だけでなく、後述するスマートフォン用ゲームアプリについても広告宣伝費を積極的に投下する計画となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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