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エレマテック Research Memo(1):新中期戦略「エレマテック×(クロス)」を策定。成長市場の取り込みを狙う


■要約

エレマテック<2715>は電子材料を得意とするエレクトロニクス商社。2009年に高千穂電気(株)と大西電気(株)が合併して誕生した。その後2012年に豊田通商<8015>グループ入りした。

1. 2017年3月期は減収減益ながら、売上高と営業利益は過去2、3番目の高水準
同社の2017年3月期決算は、売上高203,004百万円(前期比6.4%減)、営業利益5,406百万円(同21.3%減)と減収減益での着地となった。期初予想には届かなかったものの下方修正の予想は上回り、売上高は過去2番目、営業利益は過去3番目の高水準を確保した。スマートフォン関連売上高が前期比約30,000百万円減少した中では健闘したと評価できる内容だったと言えるだろう。

2. グローバル化とモジュール化が成長戦略のキーワード
同社は中長期戦略の新スローガン「エレマテック×(クロス)」を策定した。中期成長のキーワードはグローバル化とモジュール化だ。前者は、海外ネットワークを生かして世界のエンドユーザーとダイレクト・アカウント化(直接取引)を目指すというものだ。モジュール化とは個々の商材を単品で販売するのではなく、顧客のニーズに合わせて同社が企画設計し、中間製品(部品モジュール)として販売することだ。企画・設計・製造の分だけ付加価値を増大させ、自社の収益増大につなげる狙いだ。

3. 2018年3月期は増収増益を予想。親会社株主に帰属する当期純利益の反発で大幅増配の見通し
2018年3月期について同社は、売上高205,000百万円(前期比1.0%増)、営業利益5,800百万円(同7.3%増)と増収増益を予想している。前第2四半期から回復に転じたスマートフォン関連の需要はこれまでのところ順調に継続している。同社は下期からのスマホ向け有機ELパネルの立ち上がりを警戒して慎重にみているが、為替レートの円安進行などの追い風要素もあり、現予想は控えめな印象だ。特別損失の消滅で親会社株主に帰属する当期純利益の大幅反発が見込まれるため、大幅な増配予想となっている。

■Key Points
・幅広い取引先・商材を生かした自社の企画・開発力とオペレーション力が強み
・顧客に対して自社の企画・設計・試作に基づいたソリューションを提案し、付加価値増大を図る
・2018年3月期は液晶関連向けの減収を自動車向けの売上増などで吸収し、増収増益を予想

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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