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ジャストプラ Research Memo(7):業務提携による販売代理店施策を強化し、外食以外の業界にも進出開始


■今後の見通し

2. ASP事業の成長戦略
ASP事業の成長戦略として、ジャストプランニング<4287>では顧客基盤を持つ企業との業務提携による販売ネットワークの拡大を進めていく方針を打ち出している。また、新規顧客の開拓並びに解約防止策としては、付加価値サービスの拡充を進めており、2018年1月期も新たに複数のサービス導入を実施している。これら施策の効果が出てくれば、ここ数年伸び悩んでいたASP事業も再び成長局面を迎えることが予想されるだけに、その動向が注目される。

(1) 業務提携による販売ネットワークの拡大
a) そば・うどん業界向けに特化したサービス提供を開始
同社は2017年1月期に、そば・うどん業界向けに特化したコンサルティング会社と提携し、同業界向けにカスタマイズした「まかせてネット」や「まかせてタッチ」のサービス提供を2017年4月より開始した。当初の計画では2017年1月期下期に開始する予定であったが、システム調整もあって2018年1月期にずれ込んだものの、4月中旬に開催された麺類専門の展示会「麺産業展」で同社システムを出展したところ感心も非常に高かったと言う。

販売は提携先のコンサルティング会社で行っていく。同コンサルティング会社は約3,000店舗の顧客を抱えており、まずはこれら顧客向けに販売していく格好となる。月額利用料は「まかせてネット」「まかせてタッチ」のセット販売で2万円程度となる。見込み顧客の大半は個人経営の店舗となるため、与信管理業務や請求コスト等が高くなるが、個人店舗向けには今後、クレジットカード決済で対応していく予定にしており、こうしたコスト負担をなくしていく考えだ。そば・うどんの専門店は国内で約5万店舗あると言われており、殆どは個人経営の店舗となる。現状これら個人経営の店舗については、売上や勤怠管理などは手作業またはExcelなど市販ソフトを使って行っているケースが大半であり、オーダリングシステムも導入していない店舗が大半だが、人手不足が慢性化するなかで省力化につながるシステムの需要は今後拡大していくものと予想される。なお、そば・うどん業界向けの契約数については2018年1月期の業績計画には織り込んでいないため、契約店舗数分は上乗せ要因となる。

同社では、そば・うどん業界向けで一定の成果が上がれば、喫茶店など他の外食業界向けにもカスタマイズした製品をそれぞれ開発し、その業界向けに顧客基盤を持つ企業と提携し、販売代理店とすることで契約店舗数を拡大していく戦略となっている。

b)パチンコホール向け勤怠管理サービスの提供を開始
また、外食業界以外にもサービスを展開していく予定となっている。第1弾として、パチンコホール向けの勤怠管理サービスの提供を2017年6月より開始する。販売は業務提携先のサン電子が行っていく。サン電子は国内で約1.1万店舗あるパチンコホールのうち、約2,000店舗にホールの経営管理システムを導入しており、これらが当面の見込み客となる。

パチンコホール向けに勤怠管理サービスを提供する会社は5~6社あり、現在は(株)ヒューマンテクノロジーズの「KING OF TIME」がトップシェアとなっている。同社では競合企業の製品を分析し、すべての機能を網羅し、かつ価格は同額がやや低い価格で提供する予定となっている。「まかせてネット」では店舗当たりの月額利用料をメニューごとで設定していたが、パチンコホール向けでは利用する人員(ID)ごとに月額利用料を設定(競合は250~300円/ID)するため、導入が決まれば採算も十分見込めるようだ。サン電子としても自社にない勤怠管理サービスをメニューに加えることで顧客への提案力が増すことになるため、今後の契約店舗数拡大が期待される。競合製品の契約期間更新のタイミングを見計らって切り替えを進めていくことになるため、急速に契約数が増えることはないものの、着実な増加が期待される。なお、2018年1月期の業績計画にはパチンコホール向けの売上高は織り込んでいない。

また、同社では勤怠管理サービスについて、アルバイト人員の比率が高い小売業界への参入も視野に入れている。顧客基盤を持つ企業と業務提携し、販売代理店として拡販を進めていくことになる。売上変動に応じたアルバイトのシフト管理機能を加えるなど、機能面での差別化を図ることで参入余地は十分あると見ている。

(2)付加価値サービスの拡充
同社は新規顧客の開拓及び既存顧客の解約防止のため、付加価値サービスの拡充に取り組んでいる。既に、公共料金価格適正化診断サービスを行っているが、2017年3月より物損対応付延長保証サービス、同年4月より給料前払いサービス付き勤怠サービスの提供を開始した。いずれも業務提携先のサービスと連携して顧客に提供するサービスとなる。

a) 物損対応付延長保証サービス
製品保証サービス事業を手掛ける(株)Warranty technologyと業務提携し、物損に関して5年間の延長保証サービスを同社が販売するPOSシステムやハンディターミナルに付与するサービスとなる。通常、メーカー保証は1年間程度だが、実際に機器に故障が発生するのは2年目以降が主であり、また、ハンディターミナルなどは落下による破損・故障なども多い。今までこうした費用は顧客負担で修理等を行っていたが、今回、同サービスを提供することで、5年間は物損対応費用がかからないこととなる。保証料については同社が負担することとなるが、負担コストよりも同サービスを提供することによる機器の販売増や契約店舗数の増加、解約防止の効果が大きいと見ている。

b) 給料前払いサービス付き勤怠サービス
給与前払いシステム「前払いできるくん」の開発提供を行っている(株)Payment Technologyと業務提携し、同社の勤怠管理サービスとの連携を2017年4月より開始した。昨今、各業界において人材確保が困難になるなかで、福利厚生サービスの1つとして給与前払いサービスを導入する企業が増えており、外食業界においても同様のニーズが強まっていることが背景にある。今回、「まかせてネット 勤怠管理」の契約企業へ同サービスを提供することにより、契約企業先における従業員の定着率、求人募集率向上に寄与することが期待されている。同社にとっては、解約防止策の1つとなる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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