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3Dマトリック Research Memo(7):止血材や次世代止血材の開発費用等を目的に新株予約権を発行


■財務状況とリスク要因

1. 財務状況
2017年4月期第3四半期末(2017年1月末)の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,184百万円減少の3,275百万円となった。主な変動要因としては、流動資産で現預金が1,369百万円減少した一方で、来期以降の止血材の販売拡大に備えた原材料調達のための前渡金が323百万円増加した。

負債合計は前期末比61百万円増加の585百万円となった。未払金が55百万円、未払費用が16百万円減少した一方で、原材料調達資金として有利子負債が150百万円増加した。また、純資産は親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により、前期末比1,246百万円減少の2,689百万円となった。

スリー・ディー・マトリックス<7777>は4月18日付で行使価額修正条項付き新株予約権(第3者割当)の発行を発表した(割当日は5月8日)。当初行使価額は742円、下限行使価額は446円で設定している。新株予約権が当初行使価額ですべて行使された場合、250万株の普通株式が増加し(希薄化率11.6%)、1,855百万円を資金調達できることになる。調達した資金の具体的な使途としては、日本での止血材の治験費用及び申請関連費用で400百万円、欧州等における次世代止血材の開発及び認証取得費用で500百万円、欧州等における癒着防止材の開発費用で100百万円、止血材の原材料調達費、製造設備拡充費で600百万円、次世代止血材の原材料調達費、製品化に向けた検討費用で100百万円、残りを借入金の返済に充当する予定となっている。今回の資金調達により、2020年4月期までの開発費や設備投資資金等を確保できることになる。

2. 事業リスクについて
同社は過去数期間にわたって、事業計画を下方修正してきた。その要因は、主要パイプラインである止血材に関して、欧州での販売提携契約が計画どおり実現せず交渉が長期化していること、また日米での治験開始時期についても関係当局の協議が想定以上に長引き、当初の計画から遅延していることなどが要因となっている。

2017年4月期においては国内で治験計画届が提出され、中国においてライセンス契約を実現するなど、一定の成果を収めたものの、止血材の販売は各地域で当初の計画を下回るなど、依然、安定した収益基盤を確立するには時間を要すると考えられる。2018年4月期以降も主力の止血材の販売が伸び悩むことになれば、今後の事業計画においてマイナスの影響が出る可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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