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SDエンター Research Memo(5):集客力の高い新型クレーンゲームを大量導入


■業績動向

3. GAME事業
GAME事業の第3四半期累計期間の業績は、売上高1,626百万円(前年同期比2.9%減)、営業損失19百万円(前年同期は営業利益36百万円)となった。売上高は、2016年3月期から2017年3月期前半にかけて3店舗を閉鎖し2店舗を新規開店するスクラップアンドビルドを進めたが、店舗数純減の影響が第3四半期にも残った形だ。利益面では、売上高の伸び悩みに加えて、新型ゲーム機の積極投入を行った影響で、先行的に費用が増加し、赤字転落となった。

GAME事業では、今第3四半期にプラス、マイナス両面が明らかになったが、マイナス面には改善策が打たれ、来期に向けては増収が期待できる要素が複数出てきた。

プラス面は“稼げる”ゲーム機の選定とそれへの集中投資の実行だ。具体的には新型クレーンゲーム「UFOキャッチャー」の導入だ。この施策は第2四半期から取り組んできたが、札幌中央店に50台導入したところ売上高が50%増を記録するなど効果を確認できたため、設備投資を一段加速させる決断をした。SDエンターテイメント<4650>では、今期中に総計165台導入し、来期にもさらに導入を進めて最終的には総計300台体制とする計画だ。

この新型ゲーム機はLEDを多用しているため明るく、かつ、奥が見渡せるデザインとなっており、店頭に設置すると店舗リニューアルのような印象を与える効果がある。また機能面では、景品の設置がプログラミングにより再現できるため、店舗スタッフの個人的スキルに頼る必要がないという特長がある。

また同社は、商業施設内における小規模事業モデルでの出店も検討している。これは中・大型のスーパーなどの商業施設内で、集客力のあるプライズゲームに機種を絞って運営する小型店舗だ。新型機導入によって浮いた既存機をスーパーなどの空きスペースに設置することで、設備投資を最小限に抑えて事業展開できる点が魅力だ。

マイナス面は “ぽちっとクレーン”の体制見直しだ。ネット型クレーンゲームの市場は緩やかな拡大が続いているもようだが、トップ企業の独壇場が続いており、同社を含めた後発組の業績は伸びていない。同社は、自身の売上げ伸び悩みの原因として景品戦略の失敗を挙げている。リアルのゲーム場とネット型クレーンゲームとでは、利用者の行動パターンがまったく異なり、リアル店舗と同様の景品の構成では顧客の滞留時間を稼ぐことができず、売上げの伸び悩みにつながったとしている。また、利益面では、景品発送において北海道からの割高な料金が利益を大きく圧迫した。

同社はこうした状況を踏まえて、2016年12月で一旦事業を中断し、北海道から本州にぽちっとクレーンの設備を移転した上で、2017年春~夏をめどにサービスを再開する計画だ。この移転に伴い収益の機会ロスは発生するものの、移転にかかる設備投資や経費は数百万円単位に抑制できるもようだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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