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テラ Research Memo(10):薬事承認されれば業績は飛躍ステージへ


■今後の見通し

2. 成長戦略
テラ<2191>では今後の成長戦略について、細胞医療事業では症例数の拡大とコスト削減・効率改善を進めていくことで売上高の拡大と収益性向上を目指していく。また、医療支援事業については国内トップシェアとなる自動細胞培養ロボットや運営管理業務の拡販(現在120施設)、細胞培養施設の建築等に注力していくことで、収益を拡大していく方針だ。

最も注力する医薬品事業については、樹状細胞ワクチンの薬事承認申請を2022年までに行い、承認後は子会社のテラファーマ(株)で樹状細胞ワクチンの製造販売を進めていく方針で、2024年以降の大幅伸長を見込んでいる。また、提携先企業(製薬企業や再生医療関連企業)とのライセンス契約交渉も継続して取り組んでいく。

なお、細胞医療事業に関しては、樹状細胞ワクチン療法の改良等による新サービスの提供も開始する計画となっている。具体的には、再発予防用での治療サービスを早期に開始したい考えだ。前述したように、樹状細胞ワクチンの効果は、患者の栄養状態の良い早期のほうが高い効果が得られるためで、今後、再発予防用の治療法として確立されれば、潜在患者数は大きく広がるだけにその動向が注目される。

また、ネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法※や新規ペプチドの活用などの研究開発も進めており、随時、契約先医療機関に導入を進めていく予定だ。更には、複数のアカデミアと連携して、他のがん種向けに樹状細胞ワクチン療法の先進医療を進めていく計画となっており、有望な成績が得られたものに関しては順次、治験を進めていく方針となっている。

※ネオアンチゲンとは腫瘍特異的変異抗原とも呼ばれ、がん細胞独自の遺伝子変異に伴って新たに生まれた変異抗原のことで正常な細胞には発現せず、また、個々の患者で異なることが特徴となっている。従来のWT-1抗原を用いた樹状細胞ワクチン療法との違いは、がん細胞だけを攻撃対象にすることができること、個々の患者に由来するネオアンチゲンを特定して樹状細胞ワクチンを製造するため、「究極の個別化医療」になると期待されていることが挙げられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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