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sMedio Research Memo(3):ワイヤレス接続技術とセキュリティ&プライバシー技術が2本柱


■事業概要

sMedio<3913>は、「巨大に成長するIoT市場の中で、ネットワーク技術及びセキュリティ分野に注力する」(2016年8月発表の成長戦略より)としている。 近年、IoTを対象市場とした企業は多いが、後述する同社の中核技術が応用できる分野に特化して、具体的に事業領域を定義している。

同社のIoT市場の定義では、「2020年には全世界で500億個のデバイスがインターネットにつながる。国内市場も16.9%の成長率で、2020年にはユーザー支出額が13.8兆円に達する見込み。」としている。

その中で、同社が応用する中核技術とは、同社保有のMedia処理技術/無線通信技術と著作権保護/認証技術であり、大別すると、前者はワイヤレス接続技術に、後者はセキュリティ&プライバシー技術となる。これらの保有技術に磨きをかけて、IoT社会に必要な無線接続とセキュリティ分野でのリーディングカンパニーを目指す、としている。

以下に、同社グループが展開する製品・ソリューションメニューを紹介する。

1. ワイヤレス・コネクティビティ関連
同社が得意とするメディア処理技術及びワイヤレス・コネクティビティ技術を進化させ、巨大に成長するIoT市場の中で、スマートホーム、スマートオフィス分野に注力している。

(1) ブイログ(VLOG)
ネットワークカメラ及び各種センサー類を連携させたスマートホームソリューションを提供する。基本的には法人向け(BtoBtoCを含む)で、機器組込みソフトウェアの提供を行う。子会社のブイログで提供する。

(2) IoTゲートウェイ・ソリューション
一般的なインターネットアクセスルーター機能に加え、異なる無線通信規格、IoT通信規格間の相互接続を可能にする。さらに、リモコンで操作可能なユーザー・インタフェースを備えており、家庭用TVなどに接続することで、画面上で直接IoT機器の状態を確認、操作を行うことが可能となる。

(3) IoTエッジデバイス用ソフトウェア開発ソリューション
センサー、アクチュエータ(油圧や電動モーターによって、エネルギーを並進または回転運動に変換する駆動装置)など、IoTを構成するエッジデバイスで、それぞれの用途において様々な無線通信プラットフォーム、プロトコルスタックなどを組み合わせ、最適なソフトウェア(省消費電力や高接続性などの対応)を設計、開発する。

2. セキュリティ&プライバシー関連
ますます重要となるデータやデバイスのセキュリティとプライバシーに対し同社の得意とするセキュリティ技術で最先端のソリューションを提供していく。基本的には、端末機器メーカーや通信事業者などの法人向け(BtoBtoCを含む)である。

(1) JSバックアップ
見た目や使いやすさにこだわったスマホ用バックアップツールで、標準バックアップデータ(連絡先、通話履歴、など)、メディアデータ(画像など)のバックアップ、リカバリができる。子会社の情報スペースで提供する。

(2) JSバックアップビューア
JSバックアップでクラウドストレージにバックアップした写真・動画データを閲覧できるアプリケーションである。

(3) RiskFinder(リスクファインダー)
Androidアプリの脆弱性診断Webサービスで、500項目以上のチェックでアプリの脆弱性や問題を検出し、セキュアなアプリ開発をサポートする。子会社のタオソフトウェア(株)が提供する。

3. マルチメディア事業
前記2つの注力する事業領域のほかに、同社が従来から取り扱ってきたマルチメディア関連の事業があり、Blu-rayTM、デジタルTV、ネットワークプレイヤーを始めとする、ソフトウェア開発を行っている。近年は、モバイルアプリやクラウドサービスの分野に活動領域を広げ、先進の技術でワイヤレス・コネクティビティの実現に貢献している。

具体的な提供製品は、「sMedio TV Suite」、「sMedio pConnect!」、「sMedio TrueDVD Streamer」などがある。

4. AI(人工知能)に関する取り組み
同社は得意とするメディア処理技術を生かし、さらにAI技術を応用したコグニティブ・コンピューティング(認知)による情報活用のプラットフォーム開発を新たな事業領域としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)



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