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ビューティ花壇 Research Memo(4):低価格戦略により「業界のコストリーダー」としてのポジショニングを確立


■会社概要

3. 企業特長
a) 差別化と価格競争力
ビューティ花壇<3041>の特長は、技術難易度の高いデザイン性による差別化と、独自の調達ルートを生かした価格競争力にある。特に、低価格戦略により「業界のコストリーダー」としてのポジショニングを確立してきたことは、今後の事業拡大に向けて大きな強みとなっている。同社は、従来の流通ルートである中間業者や卸売市場、仲卸市場、仲卸・小売業者などの複数の段階を経ずに、国内外の生産者からの直接調達ルートを確保することで、安価でスピーディな仕入れを可能としている。また、足元では産地との旧来型の取引慣行の一部見直し等により輸入卸売部門が一旦縮小する形となっているものの、コスト削減のための海外調達にも意欲的に取り組んでいる。さらには、同じ規格であっても、それぞれの地域の需給バランスによって価格が異なるため、全国の相場動向を把握することにより、その時々の最適な仕入れを通じて価格メリットを享受できる体制も構築している。今後は、生産から加工、販売の統合によるサプライチェーンの構築(事業の六次化を含む)や大量物流の実現などにより、スケールメリットを生かした更なる低コスト化を目指している。

b) M&Aによる水平展開
同社は、M&Aを軸とした周辺事業への水平展開により、規模拡大と主力事業とのシナジー創出にも注力している。まだ、十分な成果を発揮できているとは言えないが、逆に今後の伸びしろとして、その進捗状況に注目すべきである。

2007年5月に参入した「ブライダル装花事業」は、「生花祭壇事業」と繁忙期が重ならないため、スタッフや車両、設備などの経営資源をうまく融通し合うことで営業経費の削減を図ることができる。2012年9月から、熊本支店の生花祭壇事業を会社分割し、子会社のOne Flowerへ承継させ、葬儀とブライダルの統合によるシナジー創出に取り組み始めた。今後は、各支店でも順次、同様の体制へと移行する計画である。

2012年4月に子会社化したソフトウェア開発会社のSHFは、モバイル端末ツール(葬祭カタログに簡易見積りソフトを搭載)に、同社の祭壇や供花を組み込んで、全国の葬儀関連会社への売り込みを図るほか、葬儀関連会社向けに各種業務支援システムを提供しているが、同社と顧客層が重なっていないため、クロスセルによるシナジー効果が期待される。特に、同社にとって、顧客をシステムで囲い込むことができる点で大きな武器となるだろう。

また、2015年6月に連結化した就労継続支援事業を行うキャリアライフサポートは、サプライチェーンの統合を人材面で支える役割を担う。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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