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ジェネパ Research Memo(2):16/10期は2ケタ増収営業増益で着地


■2016年10月期決算状況

12月15日発表のジェネレーションパス<3195>の2016年10月期連結決算の業績は、売上高6,501百万円(前期比49.9%増)、営業利益83百万円(同31.3%増)、経常利益67百万円(同7.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益45百万円(同14.5%増)であった。同社の属するEC市場においては、国内外ともに個人消費者の購買状況は引き続き上昇傾向にあり、業績は拡大基調である。マーケットニーズに沿った「ECマーケティング事業」の展開を推進し、既存モールでの「EPO」を推進・強化し、販売サイトのリニューアルや各種集客と売上拡大策を実施し、増収増益傾向を維持している。

主要管理指標である出店数は2016年10月末時点で2015年12月末比8店舗増の49店舗となるなど、順調に拡大している。その他、ページビュー数と受注件数、パートナー企業数も順調に拡大している。取扱商品数のみが前期比でやや減少しているが、これは顧客満足度向上のために、デリバリー等のシステム対応ができない商品を一時的に販売停止にしたことが理由であり、取扱商品入れ替え後は再び拡大が見込まれている。

なお、前期に決算時期を変更したことにより、商材によっては販売上の季節変動のずれなどもあるため、単純な前期比較は困難である。

同社の業績は傾向的には増収増益基調であるが、年初計画値から比較すると各指標とも大幅に下回る結果となった。特に、上期(第1・第2四半期)と下期(第3・第4四半期)を比較すると、下期に収益性が悪化していることがわかる。売上高が年初計画値に未達だった要因は、注力している新規事業の海外越境EC事業において、2016年4月の中国税制変更の影響と2016年前半の急激な円高による海外での競争力低下により、初年度海外事業売上目標の10億円に対し、実績が約1億円にとどまったためである。利益指標については、上述の売上減少によるものと、販管費の増加(前期比568百万円)、急激な円高進行による保有外貨建資産の為替差損の発生(通期21百万円)が未達の要因である。

販管費については、人件費(前期比77百万円増)で従業員のモチベーションアップのために4月に給料を大幅改定したことを除けば、荷造包装費(同227百万円増)、ロイヤリティ(同72百万円増)、広告宣伝費(同51百万円増)、販売促進費(同40百万円増)など、主な前期比増加要因の大半が売上高増加見合いの経費と考えられる。

(1)セグメント別

同社の事業ドメインは、1) ECマーケティング事業、2)商品企画関連事業、3)その他(システム開発事業)の3カテゴリーである。

1) ECマーケティング事業
「リコメン堂」及び大手ECモールへの出店による商材の販売で、同社の売上高の8割以上を占める中核事業である。店舗数、取引社数、商品数などの拡大により、今後とも同社の成長の中心とみられる。2016年10月期は、ビッグデータの分析によるマーケティング施策の推進、新規取引先との契約件数増加による商品取扱数の増加、他社ECに関するサポート事業など、引き続き好調に推移している。

システム面でも、同社独自開発のオペレーションシステム(GPMS:Generation Pass Management System)やEPOを推進するためのビッグデータ収集及びその分析システム(MIS:Marketing Information System)の改善・実装などの基盤設備投資を行った。

売上高・利益の実績数値としては、中国越境EC事業が現地税制変更やオペレーションの混乱等により、当初年間計画を下回る結果となった。しかし、これは基本的には一時的なものであり、2017年10月期以降は大幅な伸長が期待される。中国越境ECの事業については、詳細を後述する。

2)商品企画関連事業
2015年2月にスタートした新規事業である。ECマーケティング事業で培ったマーケティング手法「EPO」とMISの分析データから、売れ筋となる見込み商材を、試作品作成から商品試験などのテストを行い開発していく事業である。商材、取引社数などの拡大により、事業開始後1年で同社の売上高の1割強を占めるまでになっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)



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