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レカム Research Memo(1):2016年9月期は2ケタ増収、営業利益は黒字転換


レカム<3323>は、約6万社の中小企業に対して情報通信機器、インターネットサービスなど情報通信に関するあらゆる商品、サービスをワンストップで提供するソリューションプロバイダー。主力事業はビジネスホン、MFP(デジタル複合機)※、セキュリティ商品、その他OA機器などの情報通信機器を販売する情報通信事業。情報通信事業の他に、国内を中心とする顧客から請け負った業務を中国とミャンマーの海外子会社で実施するBPO事業を展開するほか、中国でLED照明や情報通信機器の販売を行う海外法人事業も手掛ける。なお、2017年2月より責任と権限の明確化、迅速な意思決定に資するガバナンス体制の構築、グループ総合力の強化などを目的として持株会社体制へ移行する予定となっている。

※複写機、プリンター、イメージスキャナ、ファクシミリなどの機能が一体になった複合機。

2016年9月期連結業績は、売上高が前期比18.9%増の4,421百万円、営業利益は124百万円(前期は64百万円の営業損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比88.4%増の54百万円となり、2ケタ増収、営業利益は黒字転換した。なお、2期連続で2ケタ増収を記録したのは2007年9月期以来9期ぶり。これは、2013年9月期より実施している構造改革の効果が顕在化したことにより、主力の情報通信事業が2ケタ増収、黒字転換したことに加えて、利益率の高いBPO事業や海外法人事業の拡大が寄与したことによる。

同社は、業績が再び成長軌道に転じると同時に、中国でのLED照明等の販売を行う海外法人事業や国内での電力小売(取次)事業等が新たに加わり、同社グループの業容、事業規模が大きく変貌しつつあることから、2017年9月期を初年度とする中期経営計画を策定し、公表するに至った。この計画では、主力の情報通信事業のほか、BPO事業と海外法人事業をそれぞれ大きく成長させることで、3事業を収益の柱として確立し、ユーザー企業の「No.1セールスソリューション・プロバイダー企業」となり、2019年9月期に売上高100億円、営業利益10億円を達成することを目標としている。その基本的な戦略は、現在の主力事業である情報通信事業で人材(営業マン)を採用・育成し、BPO事業、海外法人事業の2事業へ人員を配置転換することにより、これらの2事業の事業・収益規模を短期間に拡大させるというものだ。

中期経営計画初年度に当たる2017年9月期連結業績は、売上高が前期比27.8%増の5,650百万円、営業利益は同141.5%増の300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同250.5%増の190百万円という会社計画。特にBPO事業と海外法人事業で大きな成長を見込む内容となっている。

2016年9月期業績が売上高、営業利益ともに計画未達となったことを踏まえると、2017年9月期計画の数値はアグレッシブでハードルが高いように映る。しかし、2016年9月期に未達となったBPO事業及び海外法人事業における実質的な受注は数字面ほど悪くないことからすると、2017年9月期計画の達成可否については情報通信事業での収益確保と海外法人事業での売上高拡大がカギと弊社では考える。このため、情報通信事業で新製品の導入の影響により前期の未達幅が大きかったUTMの販売状況と、海外法人事業では新規拠点展開動向及び販売状況を注目する。

一方、中期経営計画に関しては、情報通信事業と肩を並べる収益の柱にBPO事業、海外法人事業を育成できるかどうかがポイントとなるが、情報通信事業における人員採用・育成が計画通りに進捗することが必要最低条件であるため、2017年9月期の人員採用・育成状況と情報通信事業から他2事業への人員シフトの進捗について注目する必要があるだろう。

■Check Point
・2016年9月期は9期ぶりに2期連続増収、8期ぶりに配当を実施
・2017年2月より持株会社体制へ移行予定
・中期経営計画はユーザー企業の「No.1セールスソリューション・プロバイダー企業」になり、2019年9月期に売上高100億円、営業利益10億円の達成を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )



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