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萩原工業 Research Memo(2):「常なる革新 常なる創造」をモットーに、先取の精神にあふれる経営で成長(1)


■萩原工業<7856>の会社概要

(1)会社沿革及び事業概要

「常なる革新 常なる創造」をモットーとし、先取の精神にあふれる経営をしている。創業者の「おもしれえ直ぐやってみゅう」というパイオニア精神は、現在の中期経営計画(2016年10月期−2018年10月期)のスローガン「Dynamic HAGIHARA 56(DH56) 果敢に挑戦、新たな躍動」にも引き継がれている。

萩原工業株式会社は、1962年に岡山県倉敷市水島で花ござタテ糸用ポリエチレン製モノフィラメントの製造・販売を目的に設立された。ポリエチレンやポリプロピレンのフィルムを短冊状にカット、延伸することにより強度を持たせた糸はフラットヤーンと呼ばれる。同社は、フラットヤーンを用いた合成樹脂加工製品とフラットヤーン製造で培ってきた「切」「巻」「伸」といった中核技術を応用した産業機械で事業を発展してきた。原料からシートの製造を行う国内唯一のメーカーであるが、同社の特長は機械製品事業を行うエンジニアリング部門を持っていることにある。

フラットヤーンを製織し、ラミネート加工を施して作られた代表的な製品としては、身近なものではレジャーシートやブルー(ターピー)シートがある。また、フラットヤーン自体がハンディモップの素材にもなる。モノフィラメントからはテニスコートなどに敷かれている人工芝も作られる。同社は、レジャーシートや人工芝の素材では、国内トップメーカーだ。ただし、同社がターゲットとしている主要な市場は、建築・土木、産業並びに農業用資材であるため、一般的な知名度は必ずしも高くない。しかし、製品は、同社のキャッチフレーズにあるように「あなたの近くにきっとある」。シートの役割の認識を高めることを企図して、お花見シーズンにシートが必ず使われることもあり、同社の発案で4月10日を「シートの日」と制定されている。

2000年に大証2部に上場しており、上場会社として16年が経過している。2014年5月に、東証2部から1部へ指定替えとなった。

売上高は、フラットヤーンなど合成樹脂を用いた関連製品を製造・販売する合成樹脂加工製品事業とコア技術のフラットヤーン技術を応用した産業機械を製造・販売する機械製品(エンジニアリング)事業に分かれる。2016年10月期の売上高(22,485百万円)の事業別構成比は、合成樹脂加工製品事業が77.2%(うち、シート・建築資材関連:25.0%、産業資材関連:34.2%、生活資材関連:14.3%、その他合成樹脂:3.7%)、機械製品事業が22.8%であった。売上高営業利益率は、合成樹脂加工製品事業が11.8%、機械製品事業は9.9%といずれも高水準にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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