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プラザクリエイト Research Memo(5):2017年3月期下期は人材配置と店舗網にメス、プリント事業を立て直す


■プリント事業の進捗状況

(3)今後の施策

プラザクリエイト<7502>は今下期をプリント事業の“立て直し”に充てる計画だ。前述のように、投資の時期に当たる今期中に課題を解決し、回収期に当たる2018年3月期に禍根を引きずらないという強い意志が読み取れる。

立て直しの具体策としては、フォト&モア店舗のうちで業績不振店舗の人材のてこ入れだ。店長の入れ替えという形でなされるとみられるが、人材供給元を外部に求めるのではなく、内部での配置転換でテコ入れが可能だとしている。その背景には、非フォト&モア店舗の閉鎖・業態転換というもう1つの施策の存在がある。

人材てこ入れと合わせて同社は、直営店419店(2016年9月現在)のうちの非フォト&モア店舗161店舗について、将来性を見据えてフォト&モア化する(すなわちプリントショップとして存続させる)店舗と、閉店もしくは業態転換を行う店舗とを選別し、それを実行する方針だ。同社は閉店や業態転換の具体的な数値については言及していないが、“15%~20%は(店舗面積など様々な点で)問題・課題がある”というコメントがされていることから、60店舗~80店舗という数の店舗がプリントショップとしての役割を終えることになるのではないかと弊社ではみている。

以上のように、同社は今下期において、人材配置と店舗網の2つにおいて重要な部分にメスを入れ、プリント事業の立て直しを図る方針だ。この点について弊社では、大きく以下の2つの観点から成功する可能性は高いと考えている。

a)同社が2016年3月期に行ったフォト&モア店舗のための店長候補者の大量採用は、ある意味では目玉の施策だったと言える。残念ながら結果を出せていない人材が少なからずいたわけだが、この点についてわずか半年で適材適所の再配置を進めるというスピード感は大いに評価できる。こうしたスピード感のある経営を実行できるのはオーナー企業であるということも要因としてあると考えられ、そうしたオーナー企業ならではの良さを同社が依然として保持していることが確認できたことはポジティブだったと考えている。

b)人材配置と店舗網の見直しを同時に行うことは、非常に効率的だと弊社では考えている。フォト&モア化しないと判断された店舗の多くは立地や面積などの点で不適というのが理由であり、そこには有能な店長・スタッフが数多く存在しているもようだ。それゆえ、今回の人材てこ入れに際して、外部から採用するのではなく内部の配置転換で行うということは極めて妥当であり、またてこ入れ後の成功可能性も高まると考えている。

フォト&モア店舗の中には3、4年目に入ってなお2ケタの既存店売上高の成長を遂げている店舗も多い。同社は優秀な店長・スタッフのモチベーションを高めることで、一段の店舗収益拡大につなげることも狙っている。詳細は明らかにされていないが、直営店舗の運営方式に工夫を加えて、インセンティブが働くような仕組みを検討中のもようだ。フォト&モア店舗という箱を生かすも殺すも、その中で働く人材次第ということが一段と明確となった今、プラス方向にもスピード感を持って有効な施策を導入し、トップライングロースにつなげようという試みは大いに評価されるべきと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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