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メディシノバ Research Memo(7):有利子負債はなく、研究資金は株式市場で調達


■業績見通しと財務状況について

(2)メディシノバ<4875>の財務状況

2016年9月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比2,871千ドル増加の40,777千ドルとなった。損失が続いているものの、ワラント及びストック・オプションの行使に伴い、現金及び現金同等物が2,894千ドル増加の24,971千ドルとなったことが主因だ。現金及び現金同等物の水準としては、およそ2年分の事業活動資金を保有している計算となる。なお、累積欠損額は前期末比9,416千ドル増の328,843千ドルとなった。

同社は創業来、開発フェーズにあるため損失が続いているが、有利子負債はなく事業資金は株式市場からすべて調達している。米NASDAQ市場では合計1億ドルのエクイティファイナンス(公募やワラントなど)の発行登録枠を設けており、同制度を使っての各種エクイティファイナンスにより事業資金を調達している。今後も開発の進捗状況に応じて、エクイティファイナンスを実施し、資金調達を行っていく可能性が高い。

(3)米国市場での株主構成

同社の株式は米NASDAQ市場にも上場しており、2016年6月にラッセル2000指数及びラッセル・グローバル指数に、同年12月にはNASDAQバイオテクノロジー指数にそれぞれ構成銘柄として採用されている。ラッセル指数とは米国の上位3000社の株式の時価総額加重平均型指数で、同社が採用されたラッセル2000指数は時価総額で上位1001〜3000番目までの中小型2000銘柄で構成される中小型株のベンチマークとして広く利用されている。ラッセル・グローバル指数は、米国企業3000社に米国外企業7000社を加えた1万社の指数となる。また、NASDAQバイオテクノロジー指数とは、NASDAQ市場に上場するバイオテクノロジー及び医薬品関連銘柄のパフォーマンス指標となる指数で、年に一度の構成銘柄の見直しを行っており、今回同社が新たに採用されたことになる。これら指数への採用により、機関投資家等のファンドに組み入れられる機会も増えることになる。2016年9月末の株主状況を見ても、フィディリティ(FMR)やバンガード、ブラックロックなど超大手の機関投資家が上位に名を連ねている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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