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エネクス Research Memo(1):第2四半期決算は上期として過去最高利益。中期経営計画目標の順調な進捗を確認


伊藤忠エネクス<8133>は伊藤忠<8001>グループ内でエネルギー分野の中核を担うエネルギー商社だ。産業向けから最終消費者向けまで、石油製品、LPガスを中心に幅広い事業を展開している。

2017年3月期第2四半期は減収ながらも大幅増益で着地し、売上総利益、営業利益及び当社株主に帰属する当期純利益は、上期として過去最高を更新した。ホームライフ部門とエネルギーイノベーション部門が市況影響などで前年同期比減益となったが、電力全面自由化で販売を伸ばした電力・ユーティリティ部門が大幅増益となったのに加え、カーライフ部門も新車販売の伸長で増益となった。今下期も順調な事業の進捗が期待されるほか、市況改善や円安進行で、通期予想に対する上振れでの着地への期待も高まりつつある。

同社は今期を最終年度とする2ヶ年中期経営計画『Moving2016「動く!」~明日にタネを蒔け!~』に取り組んでいる。これまでに4事業部門ともに各種のタネ蒔きが着実に実行されたというのが弊社の評価だ。収穫のタイミングは様々で、足元の事業部門間の業績の濃淡はそのタイミングの差だと弊社では考えている。本格的な収穫期は来期以降に訪れるとみられるが、収穫のタイミングが出そろった時の利益水準は現状から大きく様変わりすると期待される。

電力・ガス事業グループでは、今年4月に電力小売り全面自由化を迎え、ホームライフ部門のLPガス事業の顧客世帯をターゲットに、家庭向け電力小売りの顧客とすることが大きなテーマだった。LPガスの販売子会社7社が精力的に取り組んだ結果、9月末の契約数を約16,000件まで積み上げた。今年度末時点の目標30,000件に対して順調な進捗と言える。また、卸売も含めた電力販売量は1,490GWhと前年同期比91%増と大幅に伸長した。

エネルギー・流通事業グループでは、カーライフ部門はCS(カーライフステーション)における非燃料販売事業の拡充と不採算CS閉鎖に引き続き注力した。新サービスブランド『カーライフスタジアム』のもとでレンタカー事業などが着実に立ち上がりつつある。エネルギーイノベーション部門では事業ポートフォリオの充実を図っているが、新事業として船舶から出るスロップ等からの再生油生成・販売事業やフライアッシュ(石炭灰)からのセメント原料生成事業などが立ち上がったほか、バイオマス燃料事業など更なる新事業が検討されている。

■Check Point
・17/3期2Qは営業利益、四半期純利益が上期として過去最高業績を更新
・17/3期通期は順調に推移する見通し
・3円増配の27円配を予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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