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円安進行やバフェット氏の追加投資報道でリスク選好ムード強まる【クロージング】


*15:55JST 円安進行やバフェット氏の追加投資報道でリスク選好ムード強まる【クロージング】 11日の日経平均は3営業日続伸。289.71円高の27923.37円(出来高概算10億4000万株)で取引を終えた。為替市場で円安が進んだため、輸出関連株中心に買いが先行して始まった。また、前場終盤には、「米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が日本株に追加投資を検討している」と伝わると、同氏がこれまでに保有している商社株が軒並み上昇したほか、海外勢が日本株を見直すのではないかとの思惑も台頭し、短期筋による先物買いも加わって日経平均は前場終盤には28068.39円まで上げ幅を広げ、取引時間中としては5日以来4営業日ぶりに28000円台を回復した。ただし、12日に3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、米国のインフレ動向などを見定めたいと考える向きも多く、買い一巡後は28000円を挟んでのこう着感が強まった。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1300を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、医薬品、空運、水産農林の3業種を除く30業種が上昇。卸売、精密機器、非鉄金属、不動産の上昇が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、テルモ<4543>、アドバンテス<6857>が堅調だった半面、第一三共<4568>、武田<4502>、エーザイ<4523>が軟化した。

前日夜に記者会見した日銀の植田和男新総裁は「イールドカーブ・コントロール(YCC)政策について、継続が適当」などと述べたため、早期に政策修正が行われるのではないかという見方が後退。日米金利差拡大を意識して円相場は一時133円台後半まで円安が進んだことが投資家心理を好転させた。また、休場明けの米国市場も景気悪化の過度な懸念が和らぎ、SOX指数の上昇を受けて半導体関連株にも値を上げる銘柄が目立ち、日経平均は心理的な節目である28000円を突破した。

外部環境の好転やバフェット氏の日本株に強気な見方が伝わったことで日経平均は上昇したが、先行き警戒感は依然として拭えていない。関係者からは「弊害の多いYCCの修正や撤廃はいずれはやらざるを得ない」とみる向きが多く、総裁就任後初となる今月27日からの日銀金融政策決定会合に向けては改めて政策修正への思惑が高まりやすく警戒は必要だろう。また、これまでの累積的な利上げで米国景気は、後退はしなくても減速は必然と指摘する向きも多く、米国の経済指標を確認する必要もあるため、目先は外部環境の動きをにらみながら振れ幅が大きくなる可能性がありそうだ。

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