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2月のくりっく365、ドル・円は一進一退、ユーロ・円は強含みか


東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、2023年1月の取引数量が前月比11.9%減の266万7312枚、1日の平均取引数量は12万7015枚と前月比で減少した。月末時点の証拠金預託額は4585.90億円と前月比で16.33億円減少した。取引通貨量では、米ドル、メキシコペソ、豪ドル、南アフリカランド、英ポンドの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、1月の取引数量が前月比11.6%増の547万6323枚、1日の平均取引数量は26万777枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は720.84億円となり、前月比で24.67億円の増加となった。

取引数量トップは米ドル・円で137万3876枚(前月比14.9%減)だった。昨年12月の米雇用統計で平均時給の伸びが鈍化したことで賃金インフレピークアウトへの期待が高まった。加えて、米連邦準備制度理事会(FRB)高官から相次いで2月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅を0.25ptへと縮小することを支持する発言が出たことで、ドル円は1月13日に127円台まで下落。一方、17−18日に開催された金融政策決定会合において日本銀行が思惑に反して緩和政策の追加修正を見送ったことで、月下旬にはドル円は再び130円台まで回復した。

豪ドル・円は取引数量19万23枚(前月比11.3%増)だった。豪州と貿易において結びつきの強い中国が「ゼロコロナ政策」を終了したことで、コモディティ高への期待が高まったほか、豪11月小売売上高が予想を上回るプラス回復となり、豪ドル買いが先行、11日に91円台まで上昇した。一方、日銀の緩和政策の追加修正への思惑から、月半ばに一時円買いが強まったが、日銀金融政策決定会合で現状維持が決まったほか、利上げピークアウト観測の高まりで米株式市場が上昇基調を強めると、豪ドル買いが再開。さらに、豪10−12月期消費者物価指数(CPI)の伸びが予想以上に拡大したことを受けて、豪準備銀行(中央銀行)の2月追加利上げ観測が強まると、月末にかけて93円近くまで買われた。

2月のドル・円は一進一退か。政府が日銀の次期総裁として雨宮正佳氏に打診する方向で調整と報じられた。雨宮氏は黒田総裁とともに金融政策運営を長期にわたって担ってきたため、他の総裁候補と比較して金融政策運営の修正が劇的に変化する可能性は低いとみられている。しかし、誰が総裁になろうと、緩和政策の修正は時間の問題であるとの見方が優勢で、円高圧力はくすぶりそうだ。一方、米1月の雇用統計やISM非製造業景気指数が大幅に予想を上振れたことでインフレピークアウト期待もやや後退。FRBのターミナルレート(政策金利の最終到達点)が従来よりも引き上がる可能性が意識されはじめており、ドル高圧力も残るため、一方的な円高・ドル安は起こりにくいだろう。

2月のユーロ・円は強含みか。欧州では、予想外の暖冬によりエネルギー危機が沈静化し、企業や消費者のセンチメントが大きく改善している。購買担当者景気指数(PMI)などの経済指標も日本や米国に比べて欧州での改善幅が強い。また、FRBが利上げ幅を0.25ptへと縮小した一方、欧州中央銀行(ECB)はまだ0.5ptの利上げを続けており、利上げ停止時期もFRBよりは遅くなる公算が大きい。このため、米欧金利差の縮小を意識したドル売り・ユーロ買いが円売り・ユーロ買いにつながる可能性も予想されよう。

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