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10月のくりっく365、ドル・円は高値もみ合い、NZドル・円は上げ渋りか


東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、2022年9月の取引数量が前月比30.5%増の360万3794枚、1日の平均取引数量は16万3810枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は4439.22億円と前月比で92.36億円増加した。取引通貨量では、米ドル、メキシコペソ、豪ドル、英ポンド、南アフリカランドの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、9月の取引数量が前月比62.6%増の752万2453枚、1日の平均取引数量は41万6458枚と前月比で大幅に増加した。月末時点の証拠金預託額は762.12億円となり、前月比で9.69億円の減少となった。

取引数量トップは米ドル・円で171万6522枚(前月比35.2%増)だった。引き続き日米金利差が意識されドル・円は1ドル=145円目前まで円安ドル高が進んでいた。9月14日に日銀によるレートチェック実施が伝わると、一時1ドル=142円台まで戻したが、その後も日銀による為替介入が警戒されながらもじりじりとドル買い・円売りは進んだ。しかし、22日に日銀が24年ぶりとなる円買い・ドル売りの為替介入を実施し、ドル・円は1ドル=140円台まで下落した。ただ、月末には再び1ドル=145円台目前まで反発している。英ポンド・米ドルは取引数量7万8609枚(前月比447.0%増)だった。9月23日に英トラス新政権が50年ぶりの規模となる減税案を発表し、英国財政悪化が懸念されポンド売りにつながった。26日には英ポンドの対ドルレートは4%以上下落し、史上最安値を更新した。これを受け、28日に英中央銀行(BOE)が長期国債を一時的に購入すると発表し反発した。

10月のドル・円は高値もみ合いか。先日の日銀による為替介入の実施で、1ドル=145円台への突入が心理的に警戒されそうだ。仮に1ドル=145円ラインを突破したとしても、次は1998年高値の1ドル=147円ラインでの為替介入が警戒される可能性もあろう。ただ、米国のタカ派姿勢、日銀の金融緩和維持姿勢というスタンスの違いは今後も続くとみられ、引き続き円安ドル高傾向を背景とした動きとなりそうだ。NZドル・円は上げ渋りか。NZ準備銀行(中央銀行)は他国に先駆けて政策金利の引き上げを進めているため、政策金利の引き上げ余地が乏しいとみられており、景気後退懸念がくすぶっている。一方、豪準備銀行(中央銀行)は利上げに慎重な姿勢を見せており、景気が比較的堅調であることからオセアニア通貨では豪州へ資金を移す動きも見られている。9月下旬にはNZドルは対豪ドルで約9年ぶりの安値をつけた。NZ準備銀行(中央銀行)は10月5日にも市場予想通り0.50ポイントの利上げを行っており、今後の経済指標発表で景気悪化懸念が強まればNZドル安傾向が強まりそうだ。対円でも日銀の円安けん制発言などを背景に9月後半はNZドル売り・円買いが進んだ。11月会合でもNZ準備銀行(中央銀行)は0.50ポイントの利上げを行うと見られており、NZと日本の金利差は拡大見通しだが、日銀の為替介入の思惑がくすぶるうちは、NZドル・円の反発は限定的だとみられる。


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